「日本じゃムリ」を打破! 初の「フルフラット席」高速バスを、高知の小さなバス会社が実現しちゃったワケ 地元企業と試作約10年

日本初「フルフラット座席バス」高速バスが正式に発表。ローカルなバス会社「高知駅前観光」が地元の製造業を巻き込み、国土交通省のお墨付きも得て発表に至りました。実現不可能と考えられていた業界の“常識”を打破したバスはどう誕生したのでしょうか。

「寝てしまえば意外と快適」

 開発費用は総額2億円。同社の倉庫には、強度や操作性が足りず「ボツ」となった試作品の残骸が山積みされています。

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ソメイユプロフォン発表式で。中央が梅原社長(高速バスマーケティング研究所撮影)。

 設計を担当したサーマル工房、製造を担当した垣内(ともに高知県の企業)とともに、何度も何度も試行錯誤を重ねた歴史を証明するかのようです。両社とも、バス用はもちろんのこと、座席を作る自体、初めてです。同座席開発の統括責任者を務める本多敦史氏は、「高知企業のスピリットを感じてほしい」と語ります。

 座席の詳細は多くの記事に紹介されているのでそれに譲りますが、筆者の感想は「写真を見る限り空間の狭さが心配で、かつ、いざ乗り込む際にはコツが必要だが、寝てしまえば意外と快適」というものです。

 寝た瞬間、「あっ、確かに。ベッドで寝る時と同じ」と(言葉にすれば陳腐ですが)妙な納得感があり、「東京から高知が近くなった」という実感を持ちました。

 一方、睡眠中の小物(携帯電話やメガネ)の管理など、課題はあります。梅原章利社長は「当面、週に1往復程度のモニター運行を行い、利用者の声を集め、運行しない日に課題を潰していく」としますが、乗降に時間がかかること、就寝中に身動きを制限されることなど、構造上、対応困難な事柄もあります。

 それでも筆者は、それらの課題も含めて、今日における高速バス座席の進化の一つの到達点だと考えています。

【座席がベッドに!】これが日本初「2段式フルフラット座席」です(写真)

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