狙われたら最後!? 毎分1万3000発の機関銃モンスター!「侵略者」と名付けられた傑作機とは

極めて汎用性が高い12.7mm重機関銃を16丁も積んだバケモノみたいな攻撃機を、かつてアメリカ軍では運用していました。このダグラスA-26「インベーダー」は、どのような意図で開発されたのでしょうか。

第2次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争の3つに参戦

 こうして、襲撃機が前線で多用されるようになったことで、アメリカ軍は新たな双発攻撃機の開発を要求するようになりました。白羽の矢が立ったのはA-20の開発元であるダグラス社。新型機は、基本的にはA-20の改良発展型といえるもので、機体構造を見直し、エンジンをより強力なものに換装して、ヨーロッパの戦訓も取り入れる形で短期間のうちに開発されました。

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朝鮮戦争中の1951年5月29日、北朝鮮軍に対して爆撃を行うA-26B「インベーダー」(画像:アメリカ空軍)。

 こうして生まれたのが双発攻撃機A-26です。初飛行は1942(昭和17)年7月で、直ちに採用されると「インベーダー(侵略者)」という愛称が付与されます。

 A-26は最初から武装の違いによって3タイプが存在していました。密閉機首に75mm砲を搭載したA型、同じく密閉機首で各種の機関銃や機関砲の搭載を選択できるB型、透明機首に爆撃手が乗れるC型で、冒頭に記した12.7mm重機関銃16丁搭載というのはB型になります。

 B型は、機首部に12.7mm重機関銃を8丁、主翼には左右3丁ずつ計6丁、そして胴体上部の旋回式銃座に2丁、計16丁を備えました。搭載する12.7mm重機関銃は、毎分750~850発を発射するため、16丁だと実に毎分1万2000~1万3600発もの12.7mm弾を斉射する計算になります。実際の射撃は数秒間にすぎませんが、それでも強力な火力であることには変わらないでしょう。

 A-26が実戦に投入されるようになったのは、1944(昭和19)年半ば以降です。大戦末期には沖縄を出撃して日本本土にも飛来したほか、その強力な対地攻撃能力から、その後も朝鮮戦争やベトナム戦争にも投入され、第一線で使われ続けました。

 時代的な政治的配慮などもあって、時には攻撃機を示す「A」記号ではなく、爆撃機を示す「B」記号が付けられB-26に呼称が変わることもありましたが、長らく戦い続けたのです。

 ちなみに、第2次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争の3つに参戦した軍用機はA-26のほかにはC-47輸送機しかありません。なお、アメリカ空軍から退役したのは1972(昭和47)年のこと。南米のコロンビアでは1980(昭和55)年まで現役でした。

【画像】コレは怖い! 一直線に伸びた無数の12.7mm機関銃の射線を見る

Writer:

東京・御茶ノ水生まれ。陸・海・空すべての兵器や戦史を研究しており『PANZER』、『世界の艦船』、『ミリタリークラシックス』、『歴史群像』など軍事雑誌各誌の定期連載を持つほか著書多数。また各種軍事関連映画の公式プログラムへの執筆も数多く手掛ける。『第二次世界大戦映画DVDコレクション』総監修者。かつて観賞魚雑誌編集長や観賞魚専門学院校長も務め、その方面の著書も多数。

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