ぜ~ッたい渋滞してる「千葉の3大エリア」なぜ混むのか? 逃げ場ナシ“面的渋滞”の根本原因

首都圏のなかでも、千葉県の渋滞はとりわけ慢性的。湾岸エリアに内陸エリア、さらに場合によっては極めて深刻なアクアラインエリア……どうしてここまで千葉は混雑するのでしょうか。

休日にスゴイ渋滞! 木更津「アクアラインの下」

 最後は、曜日や時間帯によって想像を絶する渋滞となる、木更津市の「東京湾アクアライン連絡道(以下、アクア連絡道)」高架下の国道409号と、千葉県道87号の交差点周辺エリアです。

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アクアラインの木更津金田本線料金所(川崎方面)。左より木更津金田入口の流入車が合流するため激しく渋滞する(乗りものニュース編集部撮影)。

 その渋滞の理由は、近隣の大規模商業施設の存在と、渋滞を生みやすい道路の構造、そして迂回しにくい地理的要因です。

 一般道から「東京湾アクアライン(以下、アクアライン)」の川崎方面に入る木更津金田ICでは、本線料金所通過直後の車列に合流するため、スピードが落ちがちで、交通量が多いときは合流を頭にランプウェイへと渋滞が伸びてしまいます。

 そして大型商業施設を出たクルマは、アクア連絡道高架下のふたつの交差点のいずれかで右折し、この渋滞の最後尾につくことになります。

 一方、国道409号は県道87号との交差点よりも袖ケ浦IC側で、アクア連絡道北側の側道のみの片側一車線となるため、袖ケ浦IC方面から木更津金田ICへと進んできたクルマは、この交差点で「左折→右折」というクランク状の動きが求められます。

 これらが複合して、「アクアラインに流入待ちのクルマがふたつの交差点を中心に、周辺の広い地域にあふれる状況」を作り、通過に時間のかかる渋滞となってしまうのです。

 これらの交差点を迂回しようにも、北は東京湾、南には小櫃川が流れ、“小回り”での有効な通り抜けルートはありません。またアクアラインを回避して京葉道路に回っても、距離が長くなる上に、渋滞も発生しがちなことから、時間短縮効果はあまり見込めません。

 現在、東京湾アクアラインでは、混雑時間帯に値上げし、空いている時間帯を安くして交通分散を図る「ETC時間帯別料金の社会実験」が行われていますが、その効果は限定的です。2025年4月からは、その料金差をより拡大する予定ですが、もし十分な効果がなければ、時間をずらして帰る以外に、渋滞回避の策はないと考えていいでしょう。

※ ※ ※

 千葉県の道路整備の遅れについては、成田空港闘争関連のテロにより、収用委員会が長期にわたって機能停止となったことが要因として挙げられています。ただし木更津市のこのエリアについては、そもそもの都市計画に起因する渋滞とも考えられます。

 以上、千葉県でとくに渋滞が目立つエリアとその原因についてご案内しました。これらエリアをドライブする際は、そもそも混雑していることを念頭に、時間と心に余裕を持って臨みたいところです。

【マジで“逃げ場ナシ”】これが「千葉の道路」の渋滞っぷりです(地図/画像)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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コメント

1件のコメント

  1. 昔、津田沼に住んで居たがクルマで移動するなら朝早く出て、夜遅く帰ってくるしか無かった。本当に不便です。