国内初「実質“寝台”バス」で横になる! 法令だいじょうぶ? 開発の秘話を聞いた

高知駅前観光がモニター運行を開始する、日本で初めてのフルフラットシート「ソメイユ・プロフォン」を備えた高速夜行バス。その試作車に、座席鉄である筆者が寝転んでみました。開発まで、試行錯誤の連続だったようです。

高身長の人は寝台に収まるの…?

 下段寝台は「区画内に転がり込む」サイズ感ですが、寝てみると快適で、足も伸ばせます。ただし外はほとんど見えません。枕は備え付けで、なかなかよいつくり。毛布は本運行時に設置されるそうです。社内からは「クッション性の改善が必要」という声もあり、さらなる改良を模索しているとのこと。寝台下にレールがあるため、収納スペースとしてはあまり適さず、辛うじて靴をしまえる程度でした。

Large 20250303 01

拡大画像

座席を寝台状態にした車内(安藤昌季撮影)

 筆者は寝台からの出方がわからず、苦労しました。運行中は揺れますから、走行中にトイレに行く場合などは慎重な動きが必要でしょう。

 ところで、寝台の長さが180cmでは、高身長の乗客は横になれないのではないでしょうか。

 担当者によると、高身長の社内モニターには、足を曲げて横向きに寝てもらったとのこと。身長173cm、体重70kg程度と標準体型の筆者が試すと、ぎりぎり収まる感じでした。カギは「横向きに寝る」ことです。

 ちなみに寝台区画内に小物置場やコンセントはありませんでしたが、これは試作のため。どちらも本運行では装備する予定だそうです。

 上段寝台へはハシゴで上がります。寸法上は下段より余裕がありますが、天井にクッションがある下段と違い、上段は構造物に頭をぶつけやすいので注意が必要です。なお、社内モニターからは、「上段の方が小刻みに揺れ、バスにはあまりない乗り心地だった。上段と下段は好みが別れた。酔ってダメというモニターは1人だけだったが、熟練運転士による運転操作が必要と感じた」との意見が出ました。

 上段・下段ともカーテンは備わりません。構造上付けられないわけではなく、マグネットで付けられる試作品もテストされたそうですが、乗車人数を確認する必要上、仮に設置するにしても区画の半分になるとのことです。ただし、これは寝台にカメラを設置し、運転席からモニターで確認をすれば解決するので、この場合は完全なカーテン設置も可能という返答でした。

 そのほか、「更衣室が欲しい」という意見も出ており、こちらも本運行までに検討しているそうです。

 高知駅前観光としては、「モニター運行で様々なご意見を頂戴し、育てていきたい」とのことで、業界初のフルフラットシート、今から本運行が楽しみとなる車庫見学でした。

国内初! 「寝台バス」の車内を見る(写真)

Writer:

ゲーム雑誌でゲームデザインをした経験を活かして、鉄道会社のキャラクター企画に携わるうちに、乗りものや歴史、ミリタリーの記事も書くようになった乗りものライター。著書『日本全国2万3997.8キロイラストルポ乗り歩き』など、イラスト多めで、一般人にもわかりやすい乗りもの本が持ち味。

最新記事

コメント

1件のコメント

  1. 登場が楽しみです。

    寝台バスが法令違反というのは都市伝説だったんですね。

記事ランキング

  1. イラン海軍の潜水艦が「撃破される瞬間」捉えた映像が公開 3隻の無人ボートが基地を急襲 “米軍史上初”の攻撃
  2. ロシア軍の攻撃ヘリが「飛行中に急襲される瞬間」捉えた映像が公開 背後から「刺客」が忍び寄る
  3. 首都高の「高級外車」がトンネル内で大炎上! “火だるまになる”恐怖の一部始終を捉えた映像が公開 ドライバーに批判も
  4. 海自の最速艦艇が「主砲を撃ちまくる」珍しい映像が公開 最高速力は80km/h以上! 対空戦能力を披露
  5. 本数が7割も減った「地下鉄の新駅」今どうなっている? “祭りの後”の様子を見てきた 大多数の乗客は「1駅手前」で下車
  1. ロシア軍の戦闘機が「真正面から撃破される瞬間」を捉えた映像が公開 ドローンの突入を防げず
  2. 海自の潜水艦が発射した魚雷が「揚陸艦へ突進」 雷跡を上空から捉えた珍しい写真が公開される
  3. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  4. 航行中の護衛艦「かが」の周辺に「巨大な海洋生物」が出現! 艦艇勤務ならではの光景を海自公式が公開
  5. 「USB挿しっぱ」でクルマが“故障”する? 三菱公式の投稿にSNS騒然 「一体ナゼ?」「これマジで起きるよ」