JAL系「ZIPAIR」の「国内LCC史上最長航空路線」ついに運航スタート! ”前人未到の新路線”開設の意義とは

まさかLCCでここまで行けるとは…。

初の北米南部への進出

 JAL(日本航空)グループが展開する中長距離国際線LCC(格安航空会社)、ZIPAIR(ZIPAIR Tokyo)が2025年3月4日より、新路線「成田~ヒューストン線」を開設しました。この路線は同社にとって初の北米南部への進出となり、同社、そして国内のLCCとしても最長路線となります。同日午前、その初便が成田空港を出発しています。

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成田空港を出発するZIPAIR「成田~ヒューストン線」初便の様子(2025年3月4日、乗りものニュース編集部撮影)。

 ヒュートンは人口・経済規模が全米2位の都市であるほか、発着空港のジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港は、メキシコのLCCを含めた、中南米の乗り継ぎなども期待できる大規模な空港とのことです。

 運航は火、木、土、日の週4往復。大人1人あたりの片道運賃は標準クラスの「ZIPスタンダードバリュー」が5万5250円から、フルフラットシートを配した上位クラス「ZIPフルフラットバリュー」が18万8500円からです。なお同社では航空運賃に上乗せする形で燃料費を旅客が金銭で負担する「燃油サーチャージ」込みの金額はかかりません。

 成田空港を運営するNAA(成田国際空港)の田村明比古社長は、現状の国際線が圧倒的にインバウンド(訪日旅行者)が多い現状に触れたうえ、「日本の方、とくに若い方にも海外で肌を感じていただくことが大事だと思います。そういう意味ではZIPAIRは非常に懐に優しい価格設定で、アウトバウンドの復活を後押ししてくれるのではと期待しています」と話します。

 今回ヒューストン線の就航により、ZIPAIRの北米路線は5路線となります。同社の西田真吾社長は「たとえば3か月アルバイトをしてアメリカやヨーロッパに行ってみようという方もたくさんいらっしゃると思うんですが、低運賃をお客様にご提示することで、そこまで貯めなくても、割と気軽に使っていただけると思います」とし、「『若い方に若いうちに是非海外に、アメリカの空気を感じていただきたい』です。アメリカは広い国です。東海岸・南部・西海岸それぞれにいいところがあるので、それを感じてもらえればと思います」とこの路線の意義を話します。

 また西田社長は「今回の路線は、成田を出発し帰ってくるだけで28時間費やす、機数が少ない我々にとってはチャレンジとなります」と既存路線との違いを説明。「このオペレーションを高いレベルで確立できる自信がついたら、次はアメリカ東海岸や中部といった、もっと遠いところに足を伸ばせるチャレンジへつながると思います」と今後の展望についてコメントしました。

【写真】これがLCCだと…? これがフルサービス涙目のZIPAIRの「神席」です

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