北朝鮮製「空の目」完成間近? 技術提供した国も予想できるほど“丸見え”の状態で作業!?
数年前から作っているのは確認されていた。
貴重な旅客機を利用した機体か?
アメリカで北朝鮮の地理情報などを収集している「38 North」は2025年3月4日、朝鮮人民軍空軍(以下:北朝鮮空軍)で運用されるとみられる早期警戒管制機(AWACS)が完成間近であると発表しました。

この機体は2023年10月頃から衛星写真などで存在が確認されており、平壌の順安国際空港のメンテナンス格納庫に駐機されています。
ベース機体はイリューシンIl-76と思われ、周辺は高いフェンスで囲まれているようです。これまでも、この機体を早期警戒管制機に改造しているのでは、という報道はありましたが、「38 North」が公開した新しい衛星写真では、早期警戒管制機用の回転装置を備えたアンテナである「レドーム(ロートドーム)」がハッキリと確認できます。
元々、同機はロシアからなんらかの技術協力があり開発されているとみられていましたが、今回確認されたレドームの上部は、白地で三角形のデザインが施されています。
こうした様式はロシアにはなく、中国の早期警戒管制機に見られる特徴とのことで、「38 North」では決定的な証拠こそないものの、中国の影響を受けている可能性はあると言及しています。
早期警戒管制機は地平線に邪魔されず、地上レーダーよりもはるか遠距離を走査でき、航空機、船舶、車両、ミサイル、その他の飛翔体を長距離から探知し、友軍の戦闘機や攻撃機に情報を提供して指示することで、航空戦闘の指揮統制を行うことから「空の目」とも呼ばれています。
なお、ベース機であるIl-76は、高麗航空の所属である可能性が高いようです。本来は金正恩総書記の専用機として使われるイリューシンIl-62Mに同行し、専用車などを運ぶ支援用機体として運用されています。高麗航空に同機は3機しか民間機登録されておらず、北朝鮮にとってはかなり貴重な機体であることは間違いありません。
コメント