ミサイル発射時の「フォックス・ツー」ってなに? わざわざ謎の言葉をしゃべる意味とは

映画『トップガン』などで「フォックス〇〇」という言葉を聞いたことはないでしょうか。この言葉、実はミサイルの種類を味方に知らせるために大事なものとなっています。

多国籍な軍隊が一緒の任務をするときに必要?

 実在の戦闘機を扱った映画やゲームなどの創作物で、ミサイルを発射する際、パイロットが「FOX(フォックス)1(ワン)」、「FOX2(ツー)」、「FOX3(スリー)」などと言うことがあります。この言葉にはちゃんと意味があります。ちなみに「キツネ」という訳ではありません。

Large 20250321 01

拡大画像

「サイドワインダー」を発射するF-22(画像:アメリカ空軍)

「FOX〇〇」という掛け声、これは、発射するミサイルの種類を味方に教える略式コードになっています。 “FOX”は、いわゆる西側陣営最大の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)の加盟国が使う「NATOフォネティックコード」と呼ばれるもののひとつである「FOXTROT(フォックストロット)」さらに略したものです。

 フォックストロットは社交ダンスの競技名でもありますが、NATOでは「Fire(攻撃)」の意味として使われています。つまり、武器が発射されたときなどに伝えるコードです。ちなみに、社交ダンスのフォックストロットもキツネは関係なく、ハリー・フォックスという人が考えたスタイルだからとのことです。

 では、NATOでなぜこのような略式コードが使われるようになったかというと、多国籍の部隊を運用するのに欠かせないからです。2025年現在32か国も加盟しているNATOでは英語が公用語ではない地域も多くあります。その、言語の異なる国のパイロットどうしが、無線通話などにおいて重要な事柄を聞き間違えないよう簡潔に伝達するためのコード(暗号)を採用してるというわけです。

 なおFOXの後の番号である1、2、3にも意味があります。これは、戦闘機が敵戦闘機に向けて発射する空対空ミサイルの種類を指しています。

【どこにある?】これが、ステルス機がミサイルを隠している場所です(画像)

最新記事

コメント