ミサイル発射時の「フォックス・ツー」ってなに? わざわざ謎の言葉をしゃべる意味とは

映画『トップガン』などで「フォックス〇〇」という言葉を聞いたことはないでしょうか。この言葉、実はミサイルの種類を味方に知らせるために大事なものとなっています。

元々は誤射防止の注意喚起 じゃあロシアは?

 FOX1は主に「セミアクティブレーダーホーミング」というミサイル発射後、着弾まで目標をレーダー波の照射内に捉え続け、誘導するミサイルを撃つときに使用します。西側のミサイルで代表例はAIM-7「スパロー」です。

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航空自衛隊のF-35から発射されるAIM-120「アムラーム」ミサイル(画像:防衛省)

 FOX2は、AIM-9「サイドワインダー」など、相手の熱源を探知して追尾する赤外線誘導式ミサイルを使う際に使用されます。「スパロー」よりも近い距離で交戦した場合に使われるケースが多いです。セミアクティブレーダーホーミングのミサイルほどの射程はありませんが、撃った後は自動で熱源を探知して追尾してくれるので、別の敵機がいた場合、すぐに回避行動をとることもできます。

 FOX3はアメリカ製の戦闘機に搭載されているAIM-120「アムラーム」や、欧州の戦闘機が多く採用している「ミーティア」といった、「アクティブレーダーホーミングミサイル」を発射するときに使用します。このミサイルは、セミアクティブレーダーホーミングのミサイルとは違い、発射後は、ミサイルに搭載されたレーダーが標的を自動追尾するので、赤外線誘導のミサイルよりも遥かに距離が離れた場所で、撃った後に即離脱することが可能です。

 このように「FOX〇〇」と伝えるきっかけとなったのは、初めてセミアクティブレーダーホーミングである「スパロー」を標準装備した戦闘機であるF-4が登場した1960年代にさかのぼります。当時のレーダーロックオンは、味方機が敵機の近くにいると誤ってロックオンしてしまうケースが発生しやすかったそうです。

 もちろん、ロックをしないように確認はしますが、誤射してしまう可能性はゼロではないので、無線で「FOX1」と発射警告を伝えるようになり、そして「スパロー」とは発射形式が違う「サイドワインダー」を区別するために「FOX2」としたようです。そして、その後アクティブレーダーホーミングミサイルが登場すると「FOX3」として区別されるようになりました。

 なお、NATO諸国ではない西側陣営の同盟国も同じコードを使っています。航空自衛隊もアメリカ軍の同盟関係にあるので同様です。ブラジルやコロンビアなど、アメリカと関係の深い南米諸国も同様にこのコードを使用しているそうです。

 一方、ロシアなど東側陣営には元々このようなコードはなく、ミサイルとロケットの区別もないので、「ロケット発射する」また「誘導式のロケットを発射する」と言うようです。ただウクライナ空軍に関しては、ロシア軍の侵攻を機にNATOスタイルも採用しているとのことで、今後は変わるかもしれません。

【どこにある?】これが、ステルス機がミサイルを隠している場所です(画像)

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コメント

2件のコメント

  1. ロシア空軍はミサイルとガンの「発射」をПуск(プースク)とАгони(アゴーニ)で使い分けていますね。

  2. アムラームはミサイル発射後は自機からのレーダー誘導により敵機の近くまで飛行する。ミサイル内臓のレーダーは終末誘導のみで使用される。敵と接近している場合は最初からミサイル 内蔵のレーダー誘導になるので発車直後に回避運動が取れるが 遠距離で発射する場合は初期 誘導が必要のため すぐに回避できるわけではない。

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