自衛隊は導入まもなく? 謎の「日の丸水陸両用車」とは 売り込みかける造船系メーカーを東南アジアで直撃!
ベトナムで開催された防衛装備イベントに日本から防衛装備庁と企業もブースを出展。そこで「多目的水陸両用車」なる車両を見つけました。作ったのは造船メーカーJMUの関連会社。海外輸出を考えているのか、色々聞きました。
機雷敷設じゃなくて水陸両用トラックとして提案
JMUディフェンスシステムズでは、この「多目的水陸両用車」を陸上自衛隊が使う機雷敷設任務ではなく、より汎用性の高い水陸両用の輸送車両として、現地では提案していました。

94式水際地雷敷設装置では、車体の後方に機雷と敷設機器を搭載するスペースがあることから、ここをトラックの荷台と同じように使うことで、人員や物資の輸送任務に転用することが可能です。
実際、各地で行われている防災訓練ではそうした使用を想定して人員輸送の訓練を行っているほか、2011(平成23)年に起きた東日本大震災では、ダイバーを載せて行方不明者の海中捜索を行うための水上プラットフォームとして重用されていました。こういった実績に基づいて着想された「多目的水陸両用車」は、いわば水陸両用トラックともいえる存在です。
今回出展したベトナムは国土の東側が外洋に面しており、日本と同じように島嶼部も多い国です。そのため、このような水陸両用車は軍事だけでなく、被災地支援や民間でも一定のニーズがあると考えたのでしょう。
展示ブースのJMUディフェンスシステムズ担当者は、会場での来場者の反応について次のように説明してくれました。
「ベトナムは海岸線が長くて島も多いので、このような外洋を航行できる水陸両用車に興味を持つ方も多かったですね。ベトナム政府のチン首相閣下も展示会初日にこちらのブースに立ち寄ってくださいまして、我々の説明を聞いて『このような乗り物はわが国にも必要だと思う』とおっしゃって下さいました」。
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