空自の「世界で1機しかない異形機」その詳細が判明! “くちばし”の中身とは? 使い方も丁寧に教えてくれました
引退迫るC-1輸送機の唯一の派生型であるEC-1電子戦訓練機が2025年3月8日に一般公開されました。これまで秘密のベールに包まれていた同機の役割や構造が一挙に判明。さらに防衛省では後継機の開発も進めていました。
EC-1の任務は?
EC-1のようにレーダーや通信を妨害する機体は、一般に電子戦機と呼ばれ、諸外国の軍隊でも運用されています。それらは友軍機が戦闘を行っているときに、敵のレーダーを妨害することで味方が戦闘で優位に立てるよう支援を行うのです。

しかし、EC-1は名称に「訓練機」と付いていることからもわかるとおり、その任務は国内での訓練がメインとなっています。
航空自衛隊は全国28か所にレーダーサイトを設けており、これらによって日本周辺の空域を警戒・監視しています。そのようななか、他国の機体が領空侵犯する可能性がある場合は、全国の基地から戦闘機がスクランブル(緊急発進)しますが、その管制においてもこれら地上設置のレーダーサイトで捉えた各種情報がキモとなっています。
EC-1の任務は、電子戦訓練においてこうしたレーダーサイトなどに妨害を行い、実戦に即した状況を作り出すことにあります。また、地対空ミサイルを運用する高射部隊や、戦闘機に指示を出す地上の防空指令所(DC)の通信も妨害することも可能です。EC-1の任務は訓練において航空自衛隊の防空能力を試すことであり、それは通常の電子戦機と比べてより重要な任務だといえます。
航空自衛隊がこれまでEC-1を対外的に紹介してこなかったのは、防衛上の重要情報を守るための保全が理由だと思われます。それはこの機体の性能や能力が公表できなかっただけでなく、その任務が日本の防空能力に関わる重要なものだったからなのでしょう。
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