「もう雪もないでしょ。タイヤ履き替えよう」で大迷惑の可能性も!? 春先ならでは「まさかのツルツル路面」事故注意の場所とは

春先はスタッドレスタイヤからサマータイヤへの履き替えが進みますが、これからGWにかけて、行先によっては先送りした方がよいケースも。路面に雪がなくても、「まさか!」の凍結に出くわしがちな場所があります。

想像以上に怖い「周りの雪」

 またもうひとつのケースとして、これらの流れ出た水が、晴れて風のある朝、放射冷却による気温の低下で同様に凍結してしまうこともあります。こちらは風や気温そのものの影響を受けやすい橋の上で頻発します。

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群馬・長野県境の渋峠を通る国道292号。場所によっては春に雪の回廊ができる(画像:PIXTA)。

 さらにこうした融雪が原因となる凍結の恐ろしいところは、塩化カルシウム、塩化ナトリウムなどの融雪剤が効きにくいということです。

融雪剤は、水に溶けて凝固点の降下を起こすことで、雪や氷を溶かします。降雪時は撒かれた融雪剤が融けかけの雪とともに路面へ留まりますが、融雪により水が大量に供給されている状況では、融雪剤を路面に散布しても、水と一緒に流されていきます。そのため、効果を発揮しづらいのです。

 そして融雪で流れた水が再凍結した状況は、降雪時の路面凍結よりもドライブの大きなリスクとなりがちです。降雪時、ドライバーは「雪が降っているから、路面が滑りやすいんじゃないか」という意識でハンドルを握りますが、融雪を起因とする路面凍結は、それまで完全にドライのコンディションで走っているときに、突然凍結した路面があらわれるのです。

 スタッドレスタイヤであればゆっくりとしたブレーキングで安全に速度を落とすこともできますが、サマータイヤでは事故につながる可能性が大きいと考えられます。

 2024-25シーズンの冬は、各地で記録的な積雪量となりました。そのため、山間部にも、いまだ多くの雪が残っています。そうした山間部の道路が気温の下がる夕方や朝に凍結している可能性は、例年よりも高いと考えたほうがいいでしょう。

 そのためゴールデンウィークまでの間にこうした標高の高い山間部を走る予定がある人は、サマータイヤへの履き替えをもう少し待つことをお勧めします。

 また、スタッドレスタイヤを履いて走る際も、ヘアピンカーブなどで先が見通せないところ、北斜面で日中日陰になっていそうなところ、沢を渡る橋が架かっているところなどは、「ひょっとした凍っているかもしれない」と考え、十分に速度を落として走行しましょう。

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Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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コメント

1件のコメント

  1. 5月連休に標高の高い場所や東北方面に行く方は万一考慮してスタットレス装着をおすすめします。自分は草津温泉から白根山を自転車でヒルクライムしに行きますがここ2年 、雨が雪になり道路封鎖されたりしてました。冬季閉鎖の道はだいたい5月連休に開通するところが多いので道路に出た水が夜間に凍っれたりする事があります。