ETCの大規模障害は“想定外”、マニュアルも不在! 国交相、道路各社へ対応求める ただ今も“原因不明”
NEXCO中日本の高速道路で発生した大規模なETCの障害について、中野国交省が道路各社へ、対応マニュアルの策定などの対策を求めました。今回のような障害は“想定外”。国ぐるみで進めるETC専用化にも課題を突き付けました。
「ETC専用化」へ懸念残る
ETC車の決済に不具合が起きた場合、利用車が自主的に一般レーンで申告するという対応は、あくまでも個別の車両で不具合が起きた場合です。国交省と高速道路各社は料金所のETC専用化を推進しており、都市部では2025年度に、地方部では2030年度を目標に、ほぼすべてのレーンをETC専用とする方針。そのため、こうした広域的で大規模なシステム障害が起きたとしても、ETCレーンから一般レーンに切り替えて対応することはできません。

中野氏は高速道路各社への対応を求める見解を示しました。
「大規模システム障害への危機対応がしっかりできるように、マニュアルの整備等も含めて、再発防止策をしっかり整理するように、当然NEXCO中日本だけではなくて高速道路会社全体にしっかりと指導を行っていきたい」
ただ、今回のシステム障害は、現在も応急復旧の段階で、原因が特定されているわけではありません。マニュアルの策定は当然としても、それまでに起きる可能性のある障害への対応について、誰も言及できないのが、今そこにある課題です。
Writer: 中島みなみ(記者)
1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。
物が無いことに対して不在という言葉を使うのはすごく違和感があります。