ETCの大規模障害は“想定外”、マニュアルも不在! 国交相、道路各社へ対応求める ただ今も“原因不明”
NEXCO中日本の高速道路で発生した大規模なETCの障害について、中野国交省が道路各社へ、対応マニュアルの策定などの対策を求めました。今回のような障害は“想定外”。国ぐるみで進めるETC専用化にも課題を突き付けました。
一般レーンへ誘導したのが渋滞の元凶では?
中央道、東名、新東名などNEXCO中日本の高速道路で2025年4月6日未明に発生した大規模なETCシステム障害は、約38時間後に応急復旧がなされました。しかし、利用車への発生当初の対応は鈍く、その影響による渋滞や事故を発生させる要因を作りました。

同社株主である国土交通省の中野洋昌大臣は「今回のような大規模システム障害が、想定されていないということだと思っています」と、課題認識を示しました。
「NEXCO中日本に対しては、一つは原因の早期究明、もう一つは再発防止策、今後の対応策も含めて検討を指示している」
中野国交相は4月8日の会見でこう対応を話しました。6日0時30分に発生したシステム障害は、ETC専用レーンの利用車の決済が、不規則にできない状態が続いていましたが、発生から約14時間が経過するまで、一般レーンで料金収受員による決済を求めていました。その後、入口料金所の各レーンに設置された開閉バーをすべて稼働。ETC車に対して、バーが開かない場合は通行履歴が記録されていないので、通行券をとって、後日ウェブ決済するように対応を統一しました。
しかし、休日日中の交通量の増加により利用車への大きな影響を解消するには至りませんでした。これについて中野国交相は次のように語りました。
「ETCシステムは道路管理者である高速道路会社で管理されているところです。当然、料金所の運用や災害時の対応マニュアルは準備されているところではあるのですけれども、今回のような大規模システム障害が想定されていないということだと思っています。そうした事態に応じたマニュアルもしっかりできていなかったのではないかと考えています」
物が無いことに対して不在という言葉を使うのはすごく違和感があります。