「世界二大旅客機メーカーのビジネス機」なぜ売れ行き鈍いのに販売続く?年0機発送でも“カタログ”落ちしないワケ

ボーイングとエアバスはそれぞれ自社の既存の旅客機を派生させ、ビジネスジェット化したモデルを長年に渡り販売しています。売れ行きは好調でないにもかかわらずです。なぜなのでしょうか。

売れ行きイマイチなのに「旅客機ベースのビジネス機」が並ぶ理由

 とはいえ、BBJもACJもボーイングとエアバスの公式サイトに現在も掲載され、カタログ落ちはしていません。

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ドイツ連邦軍に引き渡された政府航空機。ベース機は「ACJ350」が採用された(画像:ドイツ連邦軍)。

 それどころか2015年からはボーイングが大型機「777-300ER」ベースのBBJを出荷。さらに777の派生型で、同社が開発を進めている777Xシリーズの標準型「777-9」でもBBJ型をラインナップさせるなど、広くレパートリーをかけてセールスしていることが伺えます。対するエアバスもA350-900のベースの「ACJ350」の出荷に力を入れている模様です。

 旅客機とビジネスジェットは、大人数を定期便として運ぶ機体と、少ない人数を「特別な」目的のために飛ぶ、というように目的は大きく異なります。その少人数は1人か数人、或いは20人程度と多岐に渡り、ビジネスジェット専用メーカーもそれらに合わせて大きさの異なる機種を販売しています。そのため、旅客機メーカーにとってビジネスジェット市場はそもそもアウェイと言ってよいかもしれません。

 とはいえ、政府系機関を中心に、こうした大型ビジネスジェットは実際に受注を獲得していますし、超大富豪の個人ユースはもとより、企業のスタッフ何十人を一気に乗せる際の“社用機”としても活用された例もあります。

 さらに、ビジネスジェット専用メーカーがイチからBBJ・ACJクラスの機体を生み出すのは、もし技術的に可能であったとしても、まったくの新型機ゆえ、実用化までに10年以上の年月が必要となるでしょう。そのため、そうしたメーカーも中大型旅客機クラスのビジネスジェットは製造せず、ボーイング・エアバスと市場を“棲み分ける”のが理にかなっているというわけです。

 そうした意味でボーイングとエアバスは、受注自体は少なくてもビジネスジェット開発を継続する可能性は高いといえるでしょう。2社が「世界二大旅客機メーカー」としてライバル関係にあるということも、この可能性をより色濃くしています。

【画像】ヤバ…これが「世界一長い旅客機ベースのビジネス機」客室です

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