経歴がスゴすぎる!? 英国海軍「異形のご長寿艦」まさかの現場復帰 今は“浮かぶ病院”いつまで使うの?

商船時代も含めると44歳。

輸送艦・ヘリ空母・傷病兵収容艦と姿を変える

 イギリス海軍は2025年4月10日、傷病兵収容艦である「アーガス」が修理を終え任務に復帰したと発表しました。

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エボラ出血熱が流行したシエラレオネに派遣されたときの「アーガス」(画像:イギリス国防省)

 同艦は元々、1982年4月に発生したフォークランド紛争のときに、民間企業から徴用したコンテナ船です。イギリス海軍で補給艦、揚陸艦等の補助艦艇を運用する補助艦隊の中では最高齢の艦となります。

 フォークランド紛争で航空機を運ぶ輸送艦として働いた後は、イギリス海軍に購入されヘリ空母となり、訓練艦として運用を開始。1991年の湾岸戦争時に病院船としての設備を装備し傷病兵収容艦となった後は、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争や政情不安が続くレバノンなど、各地の紛争地へ派遣されました。

 2009年には、PCRS(救急救命室)の機能も追加され、2014年にはエボラ出血熱の流行により西アフリカに派遣されました。

 同艦は、2年間にわたる長期の派遣の後、約2年ほど、ファルマスでメンテナンスを受けていましたが、4月10日に修理を終え、今後の任務に備えた試験や訓練、各種確認のために再び海上に出たとのことです。

 なお、同艦は当初2024年には退役する予定でしたが、代わりの艦艇が見つからなかったため、2030年頃まで運用を継続する予定です。ちなみに、各種の医療設備を有し実質的に病院船としての性能がありますが、赤十字を付けておらず、他のイギリス艦艇と艦隊を編成することもあるということで、病院船ではなく傷病兵を収容する艦艇の扱いとなっています。

【画像】あ、確かに空母時代の面影が!? これが、「アーガス」の甲板です

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