世界初の「電動過給機」付きオートバイはエポックメイキングとなるのか? かつて登場した“ターボバイク”との違いとは
大阪、東京、名古屋で開催された各地のモーターサイクルショーで、ホンダが「電動過給機」を搭載したV型3気筒エンジンのコンセプト車両を展示しました。バイクに電動過給機が搭載されるのは世界初だとか。メリットは何でしょうか。
電動過給機はメリットしかない!?
そもそも過給機には大きく分けてターボとスーパーチャージャーがあります。ともに、エンジンにより多くの空気を送り込んでパワーを得るための装置ですが、違いはターボが排出ガスを使ってタービンを回すのに対して、スーパーチャージャーはエンジンそのもののパワーを使う点です。

ターボは排気ガスでタービンを回すためエネルギーのロスが少ないですが、パワーが出るまでのタイムラグが大きくなります。一方、スーパーチャージャーは、エンジンから直接回転力を得るのでタイムラグこそないものの、パワーロスが出てしまいます。
今回ホンダが搭載した電動過給機は、電動にすることでエンジンの回転数に関係なく任意に過給をコントロールできるためターボのようにタイムラグがなく、スーパーチャージャーのようにエンジンのパワーも使いません。またコンピューターによる細やかな制御も可能なので、搭載するバイクのキャラクターによって、エンジンフィーリングを変えることが可能というメリットもあります。
EICMA2024で新型エンジンが発表されると、SNSでは「いいとこ取りの最強エンジン」「久々のV3エンジンだ」「どんなバイクに搭載するのか?」「MotoGPに合わせたモデル?」などと注目され、話題となりました。
すでにV3エンジンを搭載したバイクでのテスト走行も行われているので、ひょっとしたら近日中に新情報が出るかもしれません。次は、どのような形で登場するのか、楽しみです。
Writer: 石津祐介(ライター/写真家)
専門誌を中心に、航空機の取材、撮影を行うライター、写真家。国内外を問わず世界各地の空港やエアショーなど取材。航空機以外にも野鳥、アウトドア、旅行など幅広いジャンルの取材を行っている。
コメント