延伸を控えるローカル線で運行された「超短距離の夜行列車」とは “バカ停”した車内で1泊!?
2024年度の第14回「鉄旅オブザイヤー」でグランプリに選ばれたのは、「最初で最後の夜行列車」でした。
参加者は「寝るヒマもないくらい楽しめた」
ツアーを企画した読売旅行の武藤友輝さんは「街中を走る路線なので、ファンの方が騒いだりして住民の方からクレームを頂くとツアーを実施する意味がありません。関係者と検討を進めた結果、外から見えにくい那珂湊車両基地での夜間撮影会と、那珂湊駅でのバカ停(長時間停車)を中心とした内容になりました」と話します。

ツアーは撮影会のほか、運転台への乗車、車内オルゴール演奏・アナウンス、ドア開閉、瓶ウーロン茶の栓抜き体験などが可能でした。また、ひたちなか海浜鉄道の吉田千秋社長が自らキハ205系の思い出話を車内で話すなど、キハ205系を満喫できるように工夫が凝らされていたといいます。
また、阿字ヶ浦駅にある引退した気動車「キハ222」をご神体とした鉄道神社や、ほしいも神社の特別参拝も組み込まれていたほか、那珂湊駅での停車中に、ひたちなか海浜鉄道のグッズ販売も実施され、合計で14万9400円を売り上げたそうです。
列車や駅構内、車庫の外に出る時間は少なかったものの、地元名物である「みなとのたこめし」や那珂湊駅前「日の出食堂」のもつ煮、ひたちなかの名店「サザコーヒー」のモーニングが提供されるなど、地元グルメが充実していたのも特徴です。
参加者からは「キハ205に今まで乗れなかった分を挽回するほど、充実した時間を過ごせました。撮影会などもサービスが過剰だと思えるほど、至れり尽くせりな感じでした」「寝るヒマもないぐらい楽しめた」「鉄道が主役のイベントではあるが、そればかりではなく土地の名所・名物を楽しむことができた」といった声が寄せられ、満足度が非常に高いイベントだったようです。
読売旅行では今後も、今年度末に新たに導入される元・JR東日本の気動車キハ100や沿線の観光資源などを活かしたツアーを販売していくとしています。
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