海老名、大和「渋滞名所」返上なるか 進む対策、その未来は?
海老名JCTや大和トンネル付近など、東名高速関連の渋滞対策が進展することになりました。「渋滞名所」ともされるそれらの場所で何が行われ、今後、どうなっていくのでしょうか。ただ、やれることはまだまだあるかもしれません。
今年の夏ピーク前に改善へ
2016年6月21日(火)、国土交通省は東名高速関連の渋滞対策についてプレスリリースを出しました。その要旨は以下の2点です。
(1)海老名JCTの圏央道八王子方面から東名高速方面に向かうランプウェイについて、7月中旬を目標に既存の道路幅員のなかで2車線運用を始める。
(2)すでに事業着手している東名高速大和トンネル付近の付加車線設置について、2020年の「東京オリンピック」までに運用を開始することを目標とする。
東名高速と圏央道が交差する神奈川県の海老名JCT。そのランプウェイのうち、東名高速から圏央道外回り(北行き)に向かうものは昨年10月、拡幅工事なしに路面のペイントを引き直すことで2車線化され、酷かった渋滞がほぼ完全に解消されました。私(清水草一:首都高研究家)は「反対側も早急に実施すべき」と指摘しましたが、9カ月遅れでそれが実現することになったわけです。
これによって、海老名JCTを先頭にした圏央道内回り(南行き)側の渋滞も解消されるでしょう。夏、渋滞が激しくなる時期の直前に実施されるのは、首都圏のドライバーにとって吉報です。
もちろん、「ペイントを引き直すだけのことになぜ9カ月もかかるのか」とも言いたいところですけれども、過去を振り返ると、国交省の渋滞対策がこのような短期間で実施されるのは異例です。もっと迅速にすべきではありましたが、対応が改善されているのは事実であり、評価すべきでしょう。
ただかつて、国交省側は海老名JCTの渋滞対策について「残念ながら、川があるため地形的に2車線化は困難。2018年度までに新東名高速が圏央道の区間まで開通するため、交通が分散し、渋滞が大きく緩和されると期待している」と国会でも答弁していました。それが今回、いとも簡単に2車線化されるわけですから、鵜呑みにしてはいけませんね。
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