「空飛ぶガソスタ」米空軍の輸送機“史上初”民間機から空中給油を受ける 給油機のベースは有名なあの機体

某航空ドキュメンタリーでもお馴染みの名機。

空飛ぶガソリンスタンドともいえる企業

 アメリカ空軍は2025年4月23日、空軍第62作戦支援中隊と第8空輸中隊のC-17「グローブマスターIII」が、民間所有のKDC-10B空中給油機から史上初めて燃料補給を受けたと発表しました。

Large 20250427 01

拡大画像

空中給油を受けるC-17(画像:アメリカ空軍)

 この給油は4月10日に行われた訓練飛行の際に実施。民間からの商用給油は、アメリカ太平洋空軍の活動を支援するためのものです。

 担当した民間企業はオメガ・エア・リフューリングという会社で、同国空軍への本格的なサービス実施は2023年より実施されています。ほかに同企業はアメリカ海軍および海兵隊にも同様のサービスを行っており、計4機の空中給油機を保有しています。

 同社が今回給油に使ったKDC-10Bは、マクダネル・ダグラス(現在はボーイングが吸収合併)製のワイドボディ旅客機DC-10をベースに、空中給油機として開発された機体です。左右の主翼下に各1発、垂直尾翼基部に1発搭載する3発式のエンジンが特徴で、その姿は改造されても健在です。

 実はアメリカ空軍が運用しているKC-135やKC-10よりは、かなり新しい機体となっており、給油作業員が行うブーム操作は、アメリカ空軍で最も新しい空中給油機であるKC-46「ペガサス」と同じような光学センサーシステムで行うそうです。ちなみに民間企業とはいえ、運航する乗員の多くは元々アメリカ軍で空中給油機の運用に関わっていた元軍人のベテランばかりです。

 なお、今回の空中給油について第62航空団作戦部長のブランドン・パスタースキー大佐は「この訓練は、C-17が民間用KDC-10Bから給油を受けた初めての事例だと認識しています」と発表しています。

【画像】おお、3発エンジンだ…これが、ほぼ見た目旅客機な空中給油機です

最新記事

コメント