東京随一の商店街を“もうすぐブチ抜きそう” 未完の「環6.5」最終区間 東上線「大山」大改変のいま
東武東上線「大山駅」付近を貫き川越街道と中山道を結ぶ補助第26号線の工事が進展。東京有数のアーケード商店街が途切れ、その傍らには巨大なタワーマンションが。あと数年で激変しそうです。
道路の開通は高架化後かな?
高架化工事は、現在地上を走る東上線の上下線をいったんオフセットし、下り線の高架、続いて上り線の高架という順で作っていく工程を予定しています。また大山駅そのものも、現在の歩行者用の跨線橋3本(駅構内2本、一般用1本)を撤去して駅構内に仮設地下道を作ったのち、上下線の運行を続けつつ上空に高架駅を作り、下り線、そして上り線の順で移設するという、複雑な流れが計画されています。
東武鉄道が2024年11月に地元を対象に開催した工事説明会では、2030年度までの工事工程表が用いられており、工事完成は少なくともそれ以降と考えてよさそうです。
そのため、補助第26号線の本格的な開通も、この東武東上線の高架化工事の完了以降となるはずです。
このように、全面開通まではまだ時間がかかることが予想される補助第26号線ですが、開通後はこれまで東西の交通軸がなく、環七通りもしくは山手通りを大きく迂回せざるを得なかったこの地域の交通が、劇的に改善されることとなるでしょう。
仲宿は一体どうなっちゃうんだ?
ただし、懸念点もないわけではありません。補助26号線の終点となる中山道の仲宿交差点は現在、中山道上りから山手通り内回り方向のみアンダーパス、上空には首都高が通るという変則四叉路ですが、ここが川越街道とつながると交通量が増え、さらに複雑化しそうです。

現在は交通量がほとんどない都道420号の青信号が10秒未満ときわめて短いため、交差する中山道や山手通りの交通に与える影響は軽微です。しかし補助第26号線が全通し、川越街道方面からのクルマのために青信号の時間を長くとると、平面交差となる山手通り外回り、中山道下りの渋滞を引き起こす可能性があります。
また仲宿交差点のすぐ南、中山道と王子新道の分岐する交差点(地下鉄板橋区役所前駅)で、細い王子新道に流れるクルマがいま以上に増加することも確実で、ここもボトルネックになることも考えられます。
補助第26号線の全通時には、このあたりの対策もしっかり行われることを期待したいと思います。
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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