「女性向けの車です!」おじさんたちも大好きです!? 「走る弁当箱」スズキラパンの人気の秘密とは?
20年以上にわたり一貫して「女性向けの軽自動車」をうたうモデルが、スズキ・アルトラパンです。とはいえ歴代モデルは男性の支持も集め、未だに乗っている人も見かけます。今となっては稀有で尖った存在にも映る、その軌跡を振り返ります。
派生に次ぐ派生…大所帯となったラパンファミリー
様々なラインナップを加えながら2008年まで生産された初代と入れ替わるカタチで、同年には2代目アルトラパンが登場します。こちらはワゴンRのプラットフォームを採用したモデルで、何よりもホイールベースが拡大されたことで、居住性・開放感が初代よりも抜群にアップしました。

また、デザインコンセプトは初代の開発時のままである一方、より女性に親しんでもらえるようにレトロ感を抑えたモダンなデザインになり、ラパンをモチーフにしたアパレル商品もリリース。この様々な訴求により、ラパンのブランドイメージがより高まりました。
もちろん、この2代目アルトラパンにも様々な派生モデルや特別仕様車が存在。代表的なのはベースモデルのG、X、T、TLパッケージ(2008年)、さらにXリミテッド(2010年)、ショコラ(2013年)など。さらにショコラからの派生した特別仕様車や限定モデルもあり、誕生から11年ほどで、アルトラパンファミリーは、大所帯的な様相となりました。
●3代目で極まった「女性向け」
派生モデルが実に多かった2代目が2015年で生産終了となり、入れ替わるカタチで同年に3代目が登場。
この3代目開発に際してはスズキ社内の女性ワーキンググループが大きな役割を果たし、市場調査・意見などを念入りに技術者に伝え、この意見が存分に反映されているのも特徴でした。
特にデザイン面では「かわいいものは良いけど、子どもっぽいのではダメ」「ナチュラルでシンプルなものが良い」といった意見が細かく反映され、初代から続く箱型は、丸みを帯び、より多くの女性に親しまれるように。結果として2代目の派生モデルだったショコラを踏襲することとなり、同時に3代目ではショコラが廃盤となりました。
2代目ほどではないものの、3代目にもマイナーチェンジモデルや派生モデルが複数あり、MODE(2018年)、LC(2022年)などが主だったところ。3代目に総じて言えるのは、歴代アルトラパンの中でも特に女性向け的な印象で、初代からのコンセプトが極めて高まった構成のモデルです。
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