軽商用車のデザインも!?「巨匠」が手がけた意外な乗りものたち「ロータリーエンジン二輪車」なんてのも

いすゞ「117クーペ」や「ピアッツァ」、スバル「アルシオーネSVX」など、数多くのに日本車をデザインしてきたジウジアーロ氏ですが、じつは商用車や自転車も手掛けています。意外なジウジアーロデザインの乗りものを集めてみました。

日本の軽自動車にもジウジアーロデザイン多数あります

 千葉市にある幕張メッセを会場に、2025年4月11日(金)~13日(日)にかけて、全国の専門店がレストアしたヘリテージカーを会場に持ち込み展示・即売を行う「オートモビルカウンシル2025」が開催されました。

 記念すべき10周年を迎えた今回は、「マエストロ(巨匠)」の異名を持つ著名なデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロ氏をゲストに迎えてトークショーが開催されたほか、「Giorgetto Giugiaro展『世界を変えたマエストロ』」が開催され、彼がデザインした傑作車10台が展示される主催者テーマ展示が行われました。

 ジウジアーロ氏というと、いすゞ「117クーペ」や「ピアッツァ」、スバル「アルシオーネSVX」、スズキ「SX4」などのデザインを手掛けたことで知られています。

 ただ、彼は普通車しかやらなかったわけではありません。意外かもしれませんが、日本メーカーの軽自動車やバイク、自転車などもデザインしたものが多々あります。そこで、代表的なものを5つ紹介しましょう。

4代目スズキ「キャリイ」

 1969年に登場した4代目スズキ「キャリイ」は、ジウジアーロ氏がデザインを担当した軽ワンボックスバンと軽トラックです。なかでも個性的だったのは前者で、AピラーとCピラーの傾斜角度がほぼ同じの台形型のフォルムを採用していました。このようなデザインにした背景は、彼が多人数乗車を想定したモノフォルム型のマルチパーパスカーを想定していた点にあります。ところが、日本のユーザーは荷室容積が減ることを嫌ったことから、不評のまま次の5代目「キャリイ」では一般的なワンボックスのデザインに戻りました。

4代目スズキ「フロンテクーペ」

 1967年にホンダがスポーティーかつパワフルな「N360」を発売したことをきっかけに、1960年代後半から1970年代中頃にかけて軽自動車の出力競争、いわゆる「パワーウォーズ」が勃発します。そのようななか、スズキが1971年に発表したのが、2名乗車(のちに2+2仕様へと変化)の「フロンテクーペ」でした。このクルマは日本初の軽スペシャリティカーといえるもので、スズキは開発にかなり力を入れ、デザインをジウジアーロ氏に依頼します。ただ、完成したデザインは、スズキの想定よりも車高が高かったため、社内で手直しされ、背の低いクーペとして発売されました。

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9代目ダイハツ「ハイゼットカーゴ」(画像:DY5W-sport/CC BY-SA 3.0、via Wikimedia Commons)。

【斬新?】これがジウジアーロデザインのスズキ「キャリイ」です(画像)

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