まるでラブコメ。韓国とインドネシアの戦闘機模様
韓国と戦闘機の共同開発を進めていながら“不義理”が目立つインドネシアが、さらに別の国へ接近。しかしそれは、かつて両国を“フッた”国でした。3国と周辺国を交えた「戦闘機模様」は、まるでラブコメのように複雑な様相を呈します。
横から寄り添うサウジ 「いったい何角関係だよ!?」
4月15日に韓国はUAE(アラブ首長国連邦)と、「KF-21包括協力に関する意向書」への署名を行っています。この意向書にはUAE空軍がKF-21の訓練に立ち会い、韓国空軍関連部隊を訪問することなどが含まれていますが、海外メディアは、この協力がそのまま共同開発に進むのではないかと報じています。

韓国にとっては金払いにも機密保持にもルーズなインドネシアより、オイルマネーで経済的に安定しており、韓国防衛産業の上得意先でもあるUAEの方が良いパートナーでしょうし、自国の航空防衛産業の育成を進めているUAEにとって、技術移転が見込めるKF-21の共同開発への参加は、悪い話ではありません。
また別の話ですが、UAEのお隣サウジアラビアが、トルコからカーンを購入する意向を示しています。ただこれは、日英伊の進めている第6世代の新戦闘機開発計画「GCAP」に加わるための「当て馬」としてカーンを利用しているふしもありそうです。
韓国とUAEの接近、そして韓国との関係が崩壊寸前なインドネシアと、かつてインドネシアをフッたトルコの接近、さらに横からトルコへ近づくサウジアラビア――当事者(国)にとっては自国の防衛と産業を左右する真剣な話なのでしょうが、「なんだかドラマやアニメのラブコメみたいだな」と思ってしまうのは筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)だけでしょうか。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。
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