関東最奥部の“廃駅”に眠る「朽ち果てたコンクリートの神殿」これは一体…!? 観光路線の意外なルーツ

温泉地やダム湖のアクセス路線として賑わうJR吾妻線。その沿線から大きく離れた場所に、巨大な“古代神殿”のような施設をもった「旧駅」が存在します。実はここが、吾妻線のルーツです。

戦時中の突貫工事でつくられた吾妻線

 ホッパー棟の完成直後、1945(昭和20)年1月に、吾妻線は渋川から長野原(現・長野原草津口)を経て太子まで一括で開業しています(長野原-太子間は日本鋼管の専用線として開業)。

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旧太子駅(乗りものニュース編集部撮影)。

 この吾妻線はもともと、戦時中の金属不足を解消すべく、鉱物輸送を目的に突貫工事で作られた路線でした。太子支線は、いわば吾妻線のルーツとも呼べる存在なのです。なお、吾妻線本線はのちに電化されましたが、この支線は電化されないまま1971(昭和46)年に廃止されました。

 中之条町は現在、「中之条町六合地区産業遺産群」として群馬鉄山にまつわる一連の施設を保全しています。その一環として、草に埋もれていたホッパー棟を軸に、かつての姿を再現した小さな駅舎(資料館)や側線を整備したのが「旧太子駅」です。

 その後、大井川鐡道、静岡鉄道、JR四国といった全国の鉄道事業者から貨車などが譲受されており、それらが構内に置かれて“駅”らしい情景がつくられています。なお、うち無蓋貨車が6両あり、「日本一の無蓋車公園」ともうたわれています。

廃線跡どこ…? 「あーーこれだ!!」

 旧太子駅は、長野原草津口駅付近から国道292号をクルマで5kmほど北上したところに駐車場があります。そこから駅施設へと階段を下りていくなかで、ホッパー棟の風化ぶりをつぶさに観察できます。

 このほか、長野原草津口駅の北側には、太子へ向かって白砂川を渡っていた廃線の橋梁と橋台の一部が残っていて、こちらもかなり朽ちたコンクリートが目を引きます。ただ、そこから国道を北上する限りでは、一体どこに廃線跡が? と思うかもしれません。

 実は、旧太子駅に通じている、国道より一段低いところを通る生活道路が太子線の跡です。旧太子駅から国道に合流するまでのあいだの集落内に鉄道の痕跡はほとんど見られないものの、卵型の断面の狭いトンネルが2か所あり、一目で「単線の鉄道トンネルだ!」と分かります。

【ド迫力!】これが「旧太子駅」と「朽ち果てたコンクリートの神殿」です(地図/写真)

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