ロシアの逆鱗に触れる? 独新首相がついにウクライナ供与を表明した「虎の子ミサイル」とは 日本も無関係じゃない

ドイツの次期首相はロシアの侵略を受けるウクライナに対して、空中発射型巡航ミサイル「KEPD350」を供与する考えを明らかにしました。同ミサイルはこれまでウクライナへの供与が見送られてきましたが、一体どんな性能を持っているのでしょうか。

日本も他人事ではないワケとは

 発射母機に高い生存性を与えることもKEPD350の持つ大きな特徴の一つです。アメリカ空軍などが運用している地中貫通爆弾GBU-28「バンカーバスター」は、着弾するまで地上または航空機からレーザー目標指示装置による誘導が必要ですし、無動力のため発射母機が攻撃目標の上空を飛ぶ必要があります。しかし、KEPD350であれば目標の約500km手前から発射した後、発射母機は空域を離脱できます。

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F-15への搭載例。左右両主翼下に各1発を搭載できる(竹内修撮影)。

 KEPD350は韓国空軍が運用しているF-15Eの派生型であるF-15Kのほか、ドイツ空軍のトーネードIDS、スペイン空軍のF/A-18A/Bの兵装として使用されています。実際に運用している国は無いものの、ユーロファイター「タイフーン」とJAS39「グリペン」への統合試験も完了しており、スウェーデンは2025年2月にグリペン用の兵装として発注しています。

 タウルス・システムズは2019(令和元)年11月に千葉市の幕張メッセで開催された防衛・危機管理総合イベント「DSEI JAPAN 2019」で、航空自衛隊のF-2にKEPD350を統合する構想を明らかにしており、KEPD350を搭載したF-2の模型の展示も行っています。

 同社は、航空自衛隊からF-2にKEPD350を統合する要求が発出されているわけではないものの、そのような要求があれば迅速な統合が可能だと述べていました。

 ドイツはNATO(北大西洋条約機構)やEU(ヨーロッパ連合)の枠組みでは国外への展開を行うものの、自国の脅威の芽を摘むための予防的な先制攻撃などは行いません。しかし、ドイツ空軍は万が一自国が侵略を受けた際、適切な反撃能力を持つことにより、抑止力を高めることを期待してKEPD350の開発を求めたと言われています。

 適切な反撃能力を備えることによる抑止力の強化は、今後も日本が専守防衛という国是を貫く上で不可欠だと筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)は思いますし、KEPD350はそのための有効な資産になり得るとも思います。

【防壁突き抜けとる!?】これがロシアが恐れる“虎の子ミサイル”です(現物写真)

Writer:

軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。

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