「次は新宿です」「次も新宿です」!? 世界一のターミナル駅になる過程で存在した“2つの新宿駅”時代とは?
世界一の利用客が集まる駅、新宿。片田舎の小さな駅として開業してから140年、周辺は驚くべき発展を遂げました。その過程で、新宿駅に「ふたつの新宿駅」が存在した時代もありました。
西武「新宿駅」実は用意されていた!
戦後の新宿駅を大きく変えたのが、1964(昭和39)年、東口に完成した新宿ステーションビル(現・ルミネエスト新宿)です。駅と商業施設が一体化した「民衆駅」となったことで、人の流れも大きく変わっていきます。

このビルには西武新宿線の改札スペースも用意されていましたが、残念なことに西武新宿駅からの延伸が頓挫し、使用されることはありませんでした。
以後、1976(昭和51)年には南口に新宿ルミネが、2016(平成28)年には新南口にバスタ新宿が開業したほか、1984(昭和59)年まで駅の南東側にあった新宿貨物駅の跡地に1996(平成8)年、タカシマヤタイムズスクエアが開業するなど、商業施設とリンクしながら世界一の駅へと成長を続けてきました。
いま新宿駅周辺は築50年以上の老朽化した建物が多いことから、東京都と新宿区が「新宿の拠点再整備方針~新宿グランドターミナルの一体的な再編~」に基づき再開発を進めています。2040年を目標に各駅ビルを建て直し、駅周辺エリアとの回遊性も向上させた「新宿グランドターミナル」の実現を目指しています。
現在、こうした新宿駅をはじめとした駅と街についてのパネル展示「未来へつながる 鉄道とまちづくり展」が、街びらきした高輪ゲートウェイシティで2025年6月28日まで開催されています。
Writer: 真柄智充(鉄道や旅の編集者)
1972年埼玉県浦和市(現・さいたま市)生まれ。雑誌「旅と鉄道」元編集長。26年間にわたる編集プロダクション、出版社勤務において、編集者として400点以上の雑誌、ムック、書籍を制作。2024年に独立し、旅や鉄道の、編集・執筆/プランナー/アドバイザーを業務とした「magarail まがれいる」を立ち上げる。
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