線路だけだった都電が「線路+道路」に大変貌中!? “明治通りのバイパスのバイパス”まもなく仕上げに?
下町の住宅街を縫うように走っていた都電荒川線が、一部で大きく変わりつつあります。線路の両側に道路が建設され「併用軌道」に生まれかわろうとしています。どのような道路なのでしょうか。
もうすぐ「道路の仕上げ」に?
まずは向原交差点付近の補助第81号取付部です。ここはかなり早期に用地買収が進み、荒川線を挟むように緑色のネットで囲まれた空き地が広がっていましたが、現在は線路に沿って仮歩道が整備され、雑司ヶ谷方面まで見通せるようになっています。

そのまま線路沿いを歩くと、サンシャインシティと不忍通りをつなぐ「坂下通り」に設けられた「9号踏切」まではすぐです。
9号踏切の下り線(早稲田方面)側には新築マンションが建ち、その植栽と荒川線の線路との間には歩道および車道となる整地されたスペースが現れます。
さらに南に進むと、先に述べた「仮線への移設」が行われた箇所になります。荒川線は早稲田方面に向けて右に緩やかにカーブしていますが、仮線に移設され、沿線の住戸の軒先をかすめるように進む下り線と、すでに本線への切替工事が終わった上り線との間には、広い空間が生まれています。
この区間には、一部でコンクリート敷の路盤に設けられた溝にレールを埋め込み、樹脂を流し込んで固定する「インファンド工法」が採用されています。
下り線の本線への移設は9月が予定されており、それが終わると下り線側の道路の整備が本格的にはじまることとなります。
この緩やかなカーブを曲がると、日出通りの南側に並行する「首都高5号池袋線」の高架が見えてきます。この区間では、上り線側の道路スペースはほぼ路盤が完成していましたが、下り線側はほぼ手つかずです。そして仮歩道も、上り線側のみ、日出通りまで通り抜けることができます。
向原電停から東池袋四丁目電停まで、仮歩道は一部を除き整備済みですが、その幅員は目測で1.2mほどしかないところもあり、各所に「自転車・バイクは押して歩いてください」との路面ペイントが施されています。ただ実際には乗ったままで通り抜ける自転車も少なくありません。現地を訪ねる際はご注意ください。
明治通りの「バイパスのバイパス」に
なお、補助第81号線は東池袋四丁目電停から先もさらに荒川線に沿って南西へ続き、現在事業中の「環状第5の1」に合流します。
環状第5号の1は、池袋駅東口を南北に貫く「明治通り」のバイパスとなる路線で、都電および地下鉄副都心線に沿って、地下の本線と地上の側道のセットで建設が進められています。その地上部は環状第5号の1と、都電+補助81号線がY字に分岐する形となります。
補助81号線は池袋駅から見て、その環状第5号の1ルートのさらに外側(都心側)をいき、春日通りや明治通り上池袋方面に連絡するバイパス的な役割も果たすことになります。
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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