なぜ多い高速のGS空白 大都市圏にも懸念、求められるさらなる対策

高速道路では現在、150km以上にわたって給油できない区間も珍しくありません。対策として「路外給油サービス」の試行が進められていますが、そもそもなぜ、このような状況になってしまうのでしょうか。また今後、どうすべきなのでしょうか。必ずしも、地方部だけの問題ではないかもしれません。

スタンドの代わりに売店で「ガソリン缶詰」

 高速道路をいったん降りて給油した場合でも、1時間以内に同じインターから再び高速道路に乗れば料金が割高にならないようにする「路外給油サービス」の社会実験が、東海北陸道の福光IC(富山県南砺市)と磐越道の新津IC(新潟市秋葉区)で、それぞれ2016年7月15日(金)、16日(土)から行われます。

 昨年2015年4月より中国自動車道の吉和IC(広島県廿日市市)と六日市IC(島根県吉賀町)で行われている同様の社会実験が拡大される形です。また、道東自動車道の十勝清水IC(北海道清水町)も今回の社会実験の対象ですが、元からいったん降りても料金が変わらないため、そのさらなる周知が図られます。

 2005(平成17)年に日本道路公団が民営化されて以来、ガソリンスタンドが撤退したサービスエリアは10個所以上。また、新規開通路線では最初から設置計画がない場合も多いため、「ガソリンスタンド空白区間」が増えています。スタンドが150キロ以上ない区間は全国に9路線16区間。その営業が終了する夜間は、これに拍車がかかります。

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2016年7月15日から「路外給油サービス」が試行される福光IC(画像出典:NEXCO中日本)。

 東海北陸道のひるがの高原SA(岐阜県郡上市)と北陸道の有磯海SA(富山県滑川市・魚津市)のあいだ、およそ150キロの途中にある城端SA(富山県南砺市)には、当初からガソリンスタンドがありません。磐越道の阿賀野川SA(新潟県阿賀町)もスタンドが閉鎖中です。そのためともにSAの売店で、「ガソリン缶詰」を販売していました。

 このガソリン缶詰、もともとはいざというときのためにクルマへ積んでおく用に開発された商品で、販売元の定価は4リットルで3780円(レギュラー)とかなり高価です。地方の高速道路におけるガソリンスタンド不足は、こういうものを販売しなければならないほどのレベルにあります。その解決策として、「いったん高速から降りて給油しても割高にならない(162円のターミナルチャージを無料にする)」という、社会実験を行うことにしたわけです。

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コメント

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11件のコメント

  1. テナントとかでなく、ネクスコが自腹で経営しろよ。
    義務としてやれ。
    道路だけ開通させて高い金だけ取ってるんじゃないよ。

  2. 基本的に単価が高いのが致命的。おまけに大家からピンハネされれば儲けはない。メリットがないとわかれば撤退および設置しないが当たり前。いつまでも先のみえない役所仕事していては利用者サービスははかどらない。サービスなんてやる気がないのだから致し方ないが、高速利用者も考えて給油しなくてはね。乗ればどこかにあるなんて頼っていたら高いものになる。高速乗る前に満タンは必要だね。

  3. ほんと、これだから天下り企業は使えない。
    天下りは全員退職金無しで解雇しろ!

  4. 国交省およびNEXCOは公共事業者の責任と義務として、一定距離(50-80km)以上のガソリンスタンド空白区間の存在を禁止する条例、法律を制定すべき。ガソリンスタンドはテナントでもNEXCO直営どちらでも良いですが、150kmもの空白区間が何か所も存在するなど言語道断です。SA、PAの売店等のリニューアルが優先され、高速道路の基本的設備であるガソリンスタンドの設置が蔑ろにされている現状はどう見てもおかしい。
    NEXCOは一時退出を「路外給油サービス」と称していますが、ただの緊急避難的措置であり、サービスでもなんでもない。怠慢を利用者に尻拭いさせているだけということを全く分かっていない。

  5. ガソリン缶詰、長期保存を念頭にするから高いのでは。
    それでも4Lで3780円は高いですね。
    HSで売られてる草刈り機用の2サイクル用オイル入りガソリンでもこの半値近い。
    こっちもガソリン税はかかってるんですよね?
    たぶん流通量の違いが問題なのでしょうけど・・・

    ガス欠でよく使うような、ガソリン携行缶にガソリン10Lくらい入れたのをいくつか置いて、携行缶保証金付き(その場で入れるときは不要)で売ればもう少し安くなるのでは?と思いました。
    いくつ置けばいいのか、あまりたくさん置くと安全上問題になりそうですが・・・

  6. やむなくSAで給油するときは高いんで残りの走行距離にもよるけど1000円分か1500円分給油して目的地についてから満タンにしてる

  7. 石油元売りにやらせりゃいいじゃん。ゴリラとか海賊、あとホタテ貝とかね!
    あっ、貝は海賊に食われるんだっけ?

  8. 上限価格撤廃後は、市中より高いとはいえ良心の欠片が少しでも感じられる個所と、特に中日本管内の北陸道のようにぼったくりし放題の個所とに分かれたので、給油価格はNEXCOのHPにて必ずチェックし、先にここで入れると決めておくのが常識。ほったくり価格のスタンドに平気で並んでいる車を見るとアフォかと思う・・・

  9. ハイブリッドの車なんかはリッター20キロは間違いなく走るし、最近の車はほとんどリッター15キロはいくよね。
    だから、150キロの間ガソリンスタンドが無くても平気なんじゃない?
    俺なんかリッター4キロ位しか走らないからある意味普段からガソリンの減りには気をつけてるからそんなに気にならないけどね
    燃費が良い車に乗れば乗るほどガソリン入れるの忘れちゃうんだろ〜ね

  10. ETC走行で30分以内で同じインターに戻ってくれば初乗りナシとか、一で律やってくれれば、それで十分。

    路外なんちゃらサービスなんて言わずに、一律で理由なんか問わずに時間制限でやれば良い。
    コンビニもガススタも、今のところはなんとかなってる地域は、それで平場の商売も維持できる方向に持って行くべき。

    それですら、どうしようもないところは、何か考えないといけないが

    • こういうことを言わなきゃいけない路線に対しては、高速道路を降りたら損という料金形式をなんとかしてくれれば良い。
      極論、遠距離逓減無くして(値上げするなり、平均化するように調整するとか、煮るなり焼くなり)、どれだけ乗っても同じ料金にするとかという暴論もありだとおもう。

      それこそ、インター近くにGSとコンビニにいてもらえれば、そもそもトイレだけPAなんて間抜けなモノを創る必要もなくなる。
      前提として、情報提供を「”民間”事業へ荷担できない」とかいわずに、道路運営各社や沿線自治体にしっかりやってしてもらわないと駄目だけどな。