なぜ警察捕まえない!?「タイヤ剥き出し」「シートベルト未着用」で公道走っても違反にならない意外な理由

製造年が古いクラシックカーには、シートベルトやサイドミラーといった、現在では当たり前の装備がないこともあります。それなのに、なぜナンバープレートを付けて公道走行できるのでしょうか。また、それらはいつ頃から装備が義務化されたのでしょうか。代表的な装備5つを例に見てみましょう。

タイヤむき出しでも公道走れるの?

 じつはフェンダーも、古いクルマはなくても車検に通る場合があります。

フェンダー

 おもに泥除けなどのため、4つあるタイヤを覆う形で装着されるフェンダーは、1951年の道路運送車両法の施行とともに設置が義務付けられました。

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フィアット126のサイドミラー。1962年9月以降の生産車から左右にサイドミラーを装着することが義務付けられた。1983年の規制撤廃以前は原則として日本仕様車はフェンダーミラーとなるが、車幅内にミラーが収まる場合や一部の少量輸入車にはドアミラーの装着が認められていた(山崎 龍撮影)。

 フラッシュサーフェイス化された現在のクルマでは、フェンダーを取り外して走行することは考えられませんが、アメリカのカスタム文化のひとつである「ホットロッド」の中でも、1949年以前に製造された車両をベースにした「ストリートロッド」の世界では、フェンダーを外した「ハイボーイ・スタイル」が人気を集めています。

 これらは道路運送車両法の成立以前のクルマをベースとしているので、フェンダーを備えなくても車検をパスするのです。なお、フェンダーからタイヤがはみ出したいわゆる「ハミタイ」も同様の扱いとなります。

 また、「ストリートロッド」のような古いクルマの場合、マフラーについては近接排気騒音が96~103デシベルの間にあれば、直管マフラーでも車検に通すことができます。

※ ※ ※

 法律には「不遡及の原則」がありますので、このように現在の基準を満たしていない車両でも製造年によっては合法的に乗ることができます。

現場の若い警察官だと、法律を熟知していない場合も考えられるので、状況によっては追及されることがあるかもしれません。しかし、そうした場合は道路運送車両法を根拠に説明すれば済むことも。ドライバーによっては知っておいて損はないでしょう。

【画像】これで公道走れるの!? ヘッドレストもシートベルトもない異形の6輪車

Writer:

「自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、モト・グッツィV11スポーツ、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか」に

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