マリンスタジアム移転 幕張メッセの「巨大駐車場」なくしていいの? どう考えても「渋滞」する、これだけの理由

ZOZOマリンスタジアムを幕張メッセ駐車場の地に移転・建て替えする計画が浮上しています。これによって懸念されるのが周辺の渋滞。様々な“均衡”が崩れる恐れがあります。どうすれば渋滞は防げるでしょうか。

「コストコ渋滞」+「メッセ渋滞」という悪夢

 さらに、新設した入口から車道に入庫待ちの列が伸びるようになると、また別の問題が発生します。

Large 20250515 01

拡大画像

マリンスタジアム(画像:写真AC)。

 幕張メッセ駐車場出口の交差点のすぐ北側には「コストコ幕張倉庫店」があり、同店舗の駐車場への入庫を待つクルマで、豊砂交差点方向からの右折レーンには100m以上の車列ができることがあります。

 もし、この車道の左側に幕張メッセ駐車場の待ち列、右側にコストコ駐車場の待ち列が重なると、通過交通も大きく阻害され、周辺道路を含めた渋滞を引き起こす可能性が考えられるのです。

 そうした事態を防ぐためには、新スタジアムの建設に本格的に取り組む前に、まず現在の幕張メッセ駐車場を立体化して工事中の収容台数の増強を図るしかないでしょう。たとえば、現状の平地の駐車場の半分を使い、3層の立体駐車場を作れば、5000台を上回る台数が収容できると思われます。

 さらに将来を見据えるなら、幕張メッセ駐車場の海側に高架で建設されると想定される「新湾岸道路」を先行着工し、立体駐車場と直結するというアイデアもあるのではないでしょうか。もっとも、新湾岸道路はいま事業化に向けた取り組みが進められている段階です。

 仮に事業化されるとすれば、この付近では幕張メッセと現スタジアムのあいだを通る「海浜大通り」が基盤となると考えられます。そこで、上下線のどちらかの高架だけでも新習志野から稲毛までの区間で暫定的に建設し、出口用の一般道として無料供用すれば、駐車場の出口渋滞、ひいては周辺道路の交通環境の改善にも大きく役立つと思われます。

 もちろん、新スタジアムの建設にあたっては、関係当局もこうした交通への影響をしっかり考えているとは思われます。ただ実際の公共事業にかかわる工事では、「新大宮上尾道路」の首都高与野出口付近(埼玉県)の工事のように、既設道路の工事の際に事前に作っておけば不要であったであろう工事が行われ、利用者が長期間にわたる不便を強いられる例も少なくありません。

 新スタジアムの建設にあたっては、完成後だけでなく、建設中の駐車場問題への配慮を、ぜひお願いしたいと思います。

【え…!】けっこうボロボロな「マリンスタジアム」と移転先(写真)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

最新記事

コメント