バブル絶頂期に神奈川で量産されたドイツ車とは?「技術の日産」の礎か 日本人が驚愕したハナシまで
R32型「スカイライン」やZ32型「フェアレディZ」、P10型「プリメーラ」など、1990年代の傑作車を生み出した日産の「901運動」。そのきっかけとなったのは、フォルクスワーゲン「サンタナ」を日産がノックダウン生産したことでした。
日独のクルマ作りの違いに日産社員ビックリ!
加えて日産が注目したのが、ボディの溶接箇所の多さでした。これを見た際、同社の技術陣は「スポット溶接の箇所があまりにも多すぎる。過剰品質だ。強度を考えれば半分で問題はないだろう。コストダウンのためにも見直すべきだ」と意見したそうです。

それに対して、ドイツ人スタッフは「不満があるなら契約を破棄しても結構ですよ」と応えたとか。主張を退けられた日産側は、しぶしぶ彼らの要求をそのまま飲むことになりました。
しかし、日産の技術者が「サンタナ」に試乗すると、すぐに資質の高さを感じます。ごく普通のファミリーカーであるはずの同車が、日産の看板車種である「スカイライン」や「ブルーバード」よりも、ハンドリングや高速安定性、乗り心地のいずれの評価項目でも上回ったのです。
その秘密こそ、ボディの溶接箇所の多さでした。品質の高い自動車用鋼板をしっかり溶接することで高いボディ剛性が得られます。そして、この点が優れていれば、サスペンションはしっかりと路面を捉えることができるので、ドライバーは安心してアクセルを踏むことができます。
これに気づいた日産の技術者たちは、これまでの自分たちのクルマ作りを反省し、世界で通用する高性能・高品質なクルマ作りをするため、ゼロから技術を開発していくことを決意します。のちにこれが「901運動」という全社を挙げてのプロジェクトへと昇華していくのです。
現在の日産不振は北米や中国などの特定の市場に注力しすぎ、BEV(電気自動車)を除いて開発投資を行ってきたことが原因です。クルマ作りの原点に立ち返り、かつての「プリメーラ」のようなユーザーに対して訴求力のある魅力的な製品をリリースすることで、日産は再び業績を回復させることができるかもしれません。
Writer: 山崎 龍(乗り物系ライター)
「自動車やクルマを中心にした乗り物系ライター。愛車は1967年型アルファロメオ1300GTジュニア、2010年型フィアット500PINK!、モト・グッツィV11スポーツ、ヤマハ・グランドマジェスティ250、スズキGN125H、ホンダ・スーパーカブ110「天気の子」。著書は「萌えだらけの車選び」「最強! 連合艦隊オールスターズ」「『世界の銃』完全読本」ほか」に
昔、某エンスー系自動車雑誌(のTV版)などで言われていた日独車の違い・・・それが短い端的な文章で分かりました・・・
これは某プ○ジェクトX辺りで扱って欲しい事柄ですね。
本当に復活させたかったらJALのように一回潰して毒抜きをした方が良い。少なくとも高給取りの役員は一掃して自動車業界以外から呼ばないとダメ。