下り坂で「ブウゥゥン!」めちゃくちゃ強いエンジンブレーキ 問題は? ミッションや車軸への影響あるのか
クルマを運転中、長い坂道などで強めにエンジンブレーキをかけるためシフトダウンすると、一時的にエンジンがうなるような音を立てることがあります。燃費に影響したり、クルマに負担がかかったりしないのでしょうか。
低速ギアほどエンジンブレーキ強、うなるクルマ
クルマで長い下り坂を運転する際、フットブレーキを多用しないようエンジンブレーキを効かせるため、「D」レンジから2速あるいは「S」「B」などのレンジにシフトダウンすると、うなるような音が聞こえてくることがあります。燃費が悪くなったり、クルマに悪影響を与えたりはしないのでしょうか。
エンジンブレーキの仕組みは、かんたんに言うと、タイヤの回転力でエンジンを動かしている状態になり、そのエンジンを動かす負荷でタイヤの回転が衰え、減速するというものです。ギアが低速なほどエンジンが高回転になり、強いブレーキをかけられますが、そのぶん、うなるような音も出ます。

東京都内の自動車教習所によると、これによる燃費悪化はまずない、とのこと。というのも、いまのクルマはアクセルペダルを踏んでいないときには、エンジンへの燃料噴射がカットされるからだそうです。
「ギアを下げることでどれほどエンジンの回転数が上がるかは、クルマによって異なります。しかしながら、日本車に多いCVT(連続可変トランスミッション)で『D』より下のレンジ(『S』や『B』など)に落とした場合や、ハンドルの手元の『パドルシフト』で変速した場合も、速度に合わせてコンピューターが自動で変速を調整しますので、いまのクルマで過度なエンジンブレーキがかかることはないでしょう」(フジドライビングスクール 田中さん)
ただし、電子制御ではない昔のAT車では、たとえば4速から2速に落とした場合など、いきなり回転数が上がり、強いショックをともなうこともあるとのこと。クルマにも負担がかかるので、まずオーバードライブをOFFにし(シフトレバーの「O/D」ボタンを押す)、その後に2速、1速へ落とすなど、段階的な変速でエンジンブレーキを効かせていったほうがよいといいます。
「高回転域でエンジンブレーキを使いすぎると、ピストンリングが吹き抜けたりエンジンオイルが吸い上げられて燃えたりする。そんなのでエンジン修理すると却って出費が増えるから、元々消耗品のフットブレーキで制動したほうがいい」と聞いて、フットブレーキが主、エンジンブレーキは副のつもりで使っています。