鉄道車両の連結器を「ぜんぶ取り換えろ」なんと7万両!? 100年前の一大プロジェクトはなぜ行われたのか?

今から100年前、鉄道の連結器の一斉交換が行われました。これにより、連結作業に携わる連結手の死傷事故が激減するなど、安全性が向上しました。今につながる鉄道従事者の安全の基礎を築いた一大プロジェクトを追います。

連結作業に危険を伴った昔の連結器

 大量輸送を使命とする鉄道にとって、車両と車両をつなぐ連結器は欠かせません。現在、「自動連結器」が安価で頑丈な連結器として知られていますが、明治・大正時代の日本では「ねじ式連結器」が主流でした。

Large 20250606 01
自動連結器で連結された状態。簡素な構造ながら強固に連結されている(柴田東吾撮影)

 これを一斉に取り換えるという一大プロジェクトが行われてから、今年でちょうど100年になります。これは、今につながる鉄道従事者の安全の基礎を築いたといっても過言ではありません。

 明治時代のねじ式連結器は、車両に付いているフックへ、もう一方の車両に付いている鎖状の金具を引っ掛ける仕組みです。鎖状の金具の中央にはねじ棒があり、長さを調節できます。「螺旋連結器」とも呼ばれました。また、同じような仕組みで鎖状の金具部分にねじ棒がない構造の「連環連結器」と組み合わせて、二重に連結されることもありました。

 ねじ式連結器では、連結や切り離しの際に作業員が車両の間に入る必要があり、実に危険な作業でした。また、鎖状の金具は重さが約20kgもあり、これをフックに掛けたり外したりする作業は重労働だったのです。

 当時の鉄道を管轄・運営していた鉄道省の調査によると、1924(大正13)年度に連結作業中の連結手が事故で3人亡くなり、206人が負傷したとされています。

 また、連結・切り離しの作業が煩雑で、作業自体に多大な時間を費やしていたほか、連結器の修繕にも多大な費用がかかっていました。このような背景もあり、自動連結器への交換が計画されるに至ったのです。

【写真】かつては危険を伴った鉄道車両の連結作業

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  3. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  4. ウクライナ軍の「1000機の無人機」がモスクワの製油所を襲撃!“タンクが吹き飛ぶ瞬間”を捉えた映像を大統領が公開 今後の影響は?
  5. ロシアのミサイル部品工場が「大炎上」 ウクライナ軍の航空機から発射した巡航ミサイルが「直撃」か
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス