なんで「国際興業カラー」なの? 変えないの? 離れた地方で走るバスが“同じ色”の理由 運行会社役員に聞いた

山梨県の県庁所在地の玄関口、JR甲府駅の南口ロータリーには、首都圏在住者らにとって「見覚えがある色のバス」が並んでいます。運行会社役員に直撃すると、そこには明確な「理由」がありました。

「国際興業カラー」を変えないワケ

「国際興業との資本関係は外れましたが、営業面ではいろいろな協力をしています」と池田常務は説明し、同じようなカラーリングを維持していることのメリットを例示しました。

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いすゞ「TSD40」の前に立つ山梨交通の路線バス事業部長、池田雄次常務取締役執行役員(大塚圭一郎撮影)

「『山梨でトラベルの仕事があるから山梨交通のバスを出してほしい』と国際興業から頼まれることもあり、その時には当然ながら当社の貸切バスを出します」

 国際興業の利用者であれば社名の表記こそ異なっていても、見慣れたカラーリングのバスが来れば違和感なく乗り込める効能もあります。

 また、山梨交通は国際興業の中古バスを多く譲り受けてきましたが、塗装を大きく変えずに導入できるためコスト低減に一役買うのも利点です。

 ただし、カラーリングは社名表記以外でも一部異なる点があります。池田常務は一例として「当社の高速・貸切バスならば正面を真っ白に塗装していますが、国際興業の車両は青いラインが入っています」と説明しました。

 なお、山梨交通の高速バスと貸切バスのカラーリングは共通ですが、池田常務は見分ける方法も教えてくれました。「側面にそれぞれ『乗合』『貸切』と記しているほか、車番が『C』で始まるのが乗合バス、『B』は貸切バスだと区別できます」

 一方、路線バスでは異なる塗装の車両も存在します。一部の旧型バスは、側面にブドウのイラストが入った山梨交通の旧塗装を今もまとっています。2021年から順次導入している電気バスは、独自のカラーリングが施されています。

 それでも、大部分のバスは国際興業グループの一員だったことを物語る車体色で彩られています。池田常務はその1台を見つめながら、「今も同盟関係が続いていますからね」と目を細めました。

【ほらそっくり】これが東京・埼玉を走る「国際興業バス」です(写真)

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