「これが全国唯一の“高速”バスだったのか…」 もと国鉄の「元祖バス専用道」もはや風前の灯? 道も“老朽化”
鉄道の線路跡を転用したバス専用道は全国でも珍しく、福島県にはその元祖が残っています。しかし最近も一部廃止となるなど、その状況に変化が。現地に行って確かめてきました。
バス専用道は絶滅寸前
白棚線のバス路線の開業当初は全区間がほぼ線路跡だったのですが、並走する道路の整備が進むにつれ、次第に区間ごとに少しずつバス専用道が廃止されていきました。直近では、2024年7月から表郷(おもてごう)庁舎前~三森の間が並走する国道289号経由に変更され、同区間のバス専用道を廃止。これにより、残ったバス専用道は関辺~磐城金山間のみとなりました。

そこで、今も存続するバス専用道はどのようなものなのか、さらに2024年に廃止された区間が現在どのようになっているのか、現地に行って確認してきました。
わずかに残ったバス専用道は「一般車通行止め」
今回は、白河から磐城棚倉に向かう「上り」方向で辿ることとしたので、まずは、1921(大正10)年に建てられた2代目駅舎が美しい白河駅へと向かいます。駅前にはいくつかバス乗り場があり、磐城棚倉方面行きは1番乗り場から発着します。基本的には白河と磐城棚倉、そして磐城棚倉から先、祖父岡(そぼおか)までを結ぶバスが運行されていますが、1日1本、東北新幹線の新白河駅行きの便などもあります。
運行はジェイアールバス関東(JRバス関東)白河支店が担当。本数は平日ではおおむね1時間に1本というペースで、思いのほか多い印象です。ひとまずはバス専用道区間がはじまる、関辺バス停まで向かいました。
関辺バス停は鉄道でいうところの「島式ホーム」のようなスタイルが特徴。バスは左側にドアがあるため、鉄道と異なり、バスはホームの右側へ停車します。
ここまで国道289号を走ってきたバスは、関辺バス停からバス専用道へと進んでいきますが、専用道の入口には、赤丸に斜線の「車両通行止め(路線バス除く)」の標識があります。なおバス専用道はJRバス関東の私有地。一般車両のみならず、自転車の通行もできません。
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