「これが全国唯一の“高速”バスだったのか…」 もと国鉄の「元祖バス専用道」もはや風前の灯? 道も“老朽化”
鉄道の線路跡を転用したバス専用道は全国でも珍しく、福島県にはその元祖が残っています。しかし最近も一部廃止となるなど、その状況に変化が。現地に行って確かめてきました。
老朽化によりさらなる廃止もありえる
では、廃止されたばかりのバス専用道はどうなっているのでしょうか。表郷庁舎前から伸びていたバス専用道は、カラーコーンとコーンバー(トラ棒)で封鎖され、進入できないような措置が取られていました。バス停の様子も気になったので、旧高木バス停まで行ってみたところ待合室は残っており、壁面にはバス停が移動した案内が貼られていました。鉄道と異なり線路がないため、廃止されたといっても建物や路面が荒れた程度の変化が見られるのみです。

表郷庁舎前バス停を出たバスは、国道289号と118号を通って磐城棚倉に至ります。昭和中期のコンクリート造りの駅舎を持つ磐城棚倉駅は、いかにも国鉄駅という風情。駅の奥には以前JRバス関東磐城棚倉支社だった車庫と事務所があり、この日もバスが何台か休んでいました。ここからさらに棚倉町内の祖父岡まで走る便も設定されています。
実際に現地に行ってみると、まっすぐに伸びた1台分の専用道を走るバスの姿は興味深いものがありました。また、バス専用道と国道289号が離れている場所も多く、もしバス専用道が廃止され、バス停が国道上に移動すると、利用客はかなり不便になるのでは、という懸念も感じました。
バス専用道が廃止される理由に専用道自体の老朽化があげられています。そのため、残った区間もいつまで使用されるか予断を許しません。気になった人は、ぜひ早めの訪問をオススメします。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれの自動車・鉄道系イラストレーター/ライター。雑誌、WEB媒体で連載を多く持つ。コピックマーカーで描くアナログイラストを得意とする。クルマは商用車や実用車、鉄道ではナローゲージや貨物、通勤電車、路面電車、地方私鉄などを好む。
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