「これが全国唯一の“高速”バスだったのか…」 もと国鉄の「元祖バス専用道」もはや風前の灯? 道も“老朽化”
鉄道の線路跡を転用したバス専用道は全国でも珍しく、福島県にはその元祖が残っています。しかし最近も一部廃止となるなど、その状況に変化が。現地に行って確かめてきました。
交差点は「バス優先」
続く古関バス停は、両方向ともに簡単な屋根が備わります。専用道は「単線」とも言えるバス1台分の幅しかありませんが、停留所付近はバスのすれ違いができるスペースが確保されています。

鉄道時代は白河・磐城棚倉駅を含めて11駅が設けられていましたが、バス路線化に際しバス停は大幅に増やされています。古関駅は、かつて鉄道駅があったバス停のひとつであるものの、その面影はあまり感じられません。
古関バス停のそばには、「国鉄高速度専用自動車道」と書かれた、年季が入った国鉄時代の看板が残っており、ここが国鉄のバス路線だった時代を偲ぶことができます。
前述の通り、バス専用道は一般車・自転車の通行はできませんが、交差する道路はどうなっているのかというと、基本的にはバス専用道が優先のため、道路側に「とまれ」の標識が置かれています。
次のバス停は白河東工業団地で、バス停名の通り周囲には企業がいくつか集まっています。バス停自体には屋根もありません。白河東工業団地を出ると、次は谷中バス停。白河方面側にだけ、簡素な木製の待合室が建っています。
バス専用道の廃止後はどうなっている?
専用道は緑の中を進み、温泉口バス停へ。付近に谷中温泉の宿「旅館 谷中ノ湯」があるため、温泉口という名前になったのかもしれません。温泉口バス停も白河方面にのみ待合室がありますが、こちらは庭に置く物置を流用しているように見えます。
次は番沢。こちらも鉄道駅があったバス停で、それなりに住宅があるエリアに立地しています。両方向に待合室がありますが、バス路線開業時に建てられたという磐城棚倉方面の待合室の方が大きく作られています。
松上バス停を過ぎると、バス専用道は国道289号と合流。再びバスは国道上を走行します。国道に設けられた磐城金山バス停も、元は駅があったところです。しばらく国道289号を東進すると、表郷庁舎前バス停に至ります。この地域は2005年に白河市に合併する前は表郷村でした。
前述の通り表郷庁舎前~三森間は2024年6月までバス専用道の区間でしたが、現在のバスは磐城棚倉までそのまま国道289号を走ります。
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