「JALから退役したばかりの旅客機」どうなる? 「最後の旅」に出るまでの”送り出し整備”に潜入! 普段と結構様子が違う…?
JALの長距離国際線で運用されてきた「ボーイング777-300ER」の初号機「JA731J」に、退役整備が行われています。この作業は、どのような特徴があるのでしょうか。今回、実際に作業の様子を見ることができました。
えっ…これが20年オーバーの機体…?
JA731Jの機内に入ると、シートモニターなどの一部部品が取下ろされていました。こうしたパーツは、今後残る777-300ERで再利用される予定とのことです。また同型機の大きな特徴である世界最大の推力(11万5000ポンド)を持つ旅客機むけエンジン「GE90-115B」も取り外され、検査を受けている状態です。

また担当者によると、取材時点でJALのロゴマークや尾翼の「鶴丸」は残っていますが、退役整備の一環で、これらは真っ白に塗り替えられる予定とのこと。また、機体パーツの細部に至るまで、潤滑油をさすといった措置も講じられているといいます。さらに整備作業にあたっての文書作成も、時間を要す工程のひとつなのだそうです。
20年以上運用されたJA731Jですが、筆者が見た限りでは、細部を見てもそこまで年数が経った機体とは思えないようなコンディションに見えました。
JALで運用されていた777シリーズは、現在も海外の航空会社で現役運用されている機体も少なくありません。代表的な例は2003年から2021年まで「JA704J」として運用されていた777-200ER。この機体はNASA(アメリカ航空宇宙局)の次世代「飛行科学研究所」として引き取られました。JA731Jの退役整備においても、JALの整備力、機体をキレイに使うスキルの高さを垣間見ることができました。整備士も「JAL機は中古市場でも評判が高いようです」と話します。
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