新宿から「小田急」がほぼ消える…!? 激レア化していた長大バス路線「宿44」惜別! 70年以上の歴史に幕

東京都内の吉祥寺駅と新宿駅西口を結ぶ小田急バス「宿44」系統が、2025年6月に廃止されます。70年以上の歴史を持つ都内の長大路線バス系統として知られていますが、廃止を控えた今、乗ってみました。

混雑にスタッフも唖然

 小田急バスが、2025年7月6日に吉祥寺営業所管内でダイヤ改正を行います。これにより、東京の新宿駅西口から吉祥寺駅(東京都武蔵野市)までを結ぶ路線バス「宿44」系統が廃止されます。今回、この路線に乗ってみることにしました。

Large 20250619 01
2025年6月29日の運行を最後に廃止される小田急バス「宿44」系統(2025年6月8日、柴田東吾撮影)

「宿44」は、新宿駅西口~武蔵境駅間で運行された時代が長い路線ですが、2024年3月以降は吉祥寺駅発着に短縮され、以後は日曜休日1往復だけに減らされていました。この「宿44」が、2025年6月29日の運行をもって廃止されます。

 走るルートを確認しましょう。「宿44」は新宿から国道20号(甲州街道)を西進し、途中から井ノ頭通りを通って吉祥寺に向かいます。甲州街道は京王線と、井ノ頭通りは京王井の頭線と並行している区間が長く、鉄道ならば新宿~吉祥寺間を京王線と京王井の頭線を乗り継いで向かうイメージです。

 2025年5月の時点で、「宿44」は日曜休日の午前に1往復だけ走っています。新宿駅西口~吉祥寺駅間13.58km(吉祥寺→新宿間は13.5km)を所要時間52分ほどで結んでいますが、長い路線だけに渋滞による遅れは覚悟しておいたほうが良いでしょう。

 早速、廃止を控えた小田急バス「宿44」に乗車します。廃止間際で混み合うことが予想されたので、吉祥寺から新宿に向かうことにしました。

 取材した6月8日(日)は廃止が発表されてから初めての運行日でしたが、出発20分前の段階で吉祥寺のバス停にはすでに10人ほどが待っている状態でした。10時24分の出発までに40人ほどが乗り、終点の新宿までほぼ満員の状態で走りました。

 大半が「乗り納め」と見られる乗客でしたが、なかには廃止を知らない地元の利用者もいて、突然の混雑に驚いている様子でした。

「宿44」が発車する吉祥寺のバス停(1番のりば)は、京王井の頭線吉祥寺駅の南東側にあります。ほかの小田急バスのバス停から東側へ少し離れた場所にあるため注意が必要です。

 吉祥寺を発車した「宿44」は井ノ頭通りを南東へ進み、ほどなく小田急バスの吉祥寺営業所の前を通ります。営業所の建屋の前には小田急バスのスタッフが数人、様子を伺うように立っていましたが、混雑に唖然とした姿が印象的でした。

【見納め】井の頭線と「宿44」のツーショットを見る(写真)

最新記事

コメント