完成は28年後!? 大阪“東のターミナル”京橋駅「地平ホームの地下化」なぜいま動き出す? 事業費“2.6倍”の理由も聞いた

]JR西日本京橋駅の学研都市線・JR東西線地平ホームを地下化する計画が再び動き出しました。完成は2053年度、壮大な事業となりそうです。凍結されていた計画がなぜいま、復活したのでしょうか。

完成まで23年、事業費は2.6倍に膨張!?

 大阪市のプランだと、2030年度に事業着手し、地下線切り替えは2051年度、事業完成は2053年度とされています。また、1.3kmの地下化の総事業費は1031億円とされています。25年前の試算は400億円とされていたので、その2.6倍です。

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JR京橋駅(左)と京阪京橋駅(右)を結ぶ空間を数十万人の乗換客が行き交う。ここに市道玉造筋線が予定されている(森口誠之撮影)

 なぜ、事業期間も事業費もこんなに膨らんだのか。大阪市建設局道路河川部によると、市が大規模事業のリスク管理に取り組んだのが要因だといいます。

 大阪市の過去のプロジェクトでは、予算超過や事業期間の大幅延長が続出し、市財政の大きな負担となりました。1997年度に事業がスタートした阪急淡路駅付近の連続立体交差化事業もその一つです。2009年度完成予定でしたが、今は2031年度とされ、近隣の市民にとって不満の種となっています。事業費も1613億円から2326億円と大幅に超過しています。

 そこで大阪市は、市内の大規模事業について、物価高騰や用地買収など不確実なリスクを事前に予測して事業費を算出するようになりました。京橋駅地下化についても、2025年の試算では事業費の中に、将来の人件費や材料費、物価の高騰、そして旧鯰江川跡地道路の汚染物質の処理、第二次大戦時の不発弾処理なども想定して盛り込みました。ゆえに事業費が大幅に上振れしたのです。

 そして事業期間も2030年度の着手から完成まで23年間と長い期間を想定しました。期間が短い方が事業費を抑えることはできますが、用地買収交渉などで理想通りに進まないのも現実です。現段階で詳細なルート設計がされておらず不確定要素は残りますが、逆に施工の工夫で事業費や事業期間が圧縮される可能性もあるようです。

 大阪市は、今後、計画を検討した上で、2026年2月頃にも方針を定めることになります。

 ただ、学研都市線・JR東西線の京橋駅利用者の視点からすると、大阪環状線との乗り換えがかなり不便になるのは悩みの種です。

 現在、大阪環状線ホームは地上2階、学研都市線・JR東西線は地平にあるので、階段を降りれば1、2分で移動できます。ただ、地下の新ホームは地下2階になるので、移動時間は長くなるのでしょう。仕方ないこととはいえ、エスカレーターで直結するなど配慮が欲しいところです。

【え、これあと何年かかるの!?】京橋駅地上ホーム「地下化」後の変化(地図/写真)

Writer:

1972年奈良県生まれ。大阪市立大学大学院経営学研究科前期博士課程修了。国内全鉄道と海外80ヶ国以上を旅しながら鉄道史や資料調査に没頭する。主な著書に『鉄道未成線を歩く 国鉄編』『同 私鉄編』、『開封!鉄道秘史 未成線の謎』など。

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