日本唯一、高速「ダブル“右ルート/左ルート”」なぜできた? 道間違えたらアウト!な高難易度のワケ
高速道路で進路が「右ルート/左ルート」に分かれる区間のなかでも難易度の高いのが、名神高速の右ルート/左ルート分岐です。日本で唯一、上下線とも2ルート分岐する構造は、なぜ生まれたのでしょうか。
劇的効果を生んだ右ルート・左ルート
高速道路における右ルート・左ルートの分岐は、混雑緩和のために車線増設を行った結果、誕生したものです。

名神の場合は、1998年7月に京都南IC-吹田IC間が6車線化されました。うち、現在の大山崎JCT-高槻JCT間については、途中の天王山トンネル、梶原トンネルがそれぞれ上下2本ずつ新設され、4本のルートが並走する形として8車線化されています。
京都寄りの天王山トンネル付近は、下り線の左ルートが古くからの下り線で、右ルートはかつて上り線でした。つまり、山側の2ルート(上り線右ルート・左ルート)が新設線です。
一方、大阪寄りにある梶原トンネルの場合は、下り線の右ルートと上り線の右ルート、つまり4本並んだトンネルのうち真ん中の2本が古くからの上下線です。地質・地形条件を考慮して、両方のトンネルで新設トンネルを掘る場所を変えているのです。
京都南-吹田JCT間の6車線化(一部8車線化)の効果は劇的で、1997年に年間2123回発生していた渋滞は、1999年には381回まで減少したそうです。
もっとも、1日約6回ペースで渋滞が起こっていたのが、約1回ペースになったと考えると、もともとの交通量の多さが伺い知れるところです。現在建設されている新名神の高槻JCTと第二京阪を繋ぐ区間(高槻JCT-八幡京田辺JCT)間が開通すれば、この区間の交通量も大きく緩和されると考えられます。
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