「フランス機を撃墜した中国戦闘機」次に狙うのは米国製F-16の後釜か? お膝元のパリでPR!

フランスの首都パリで開催中の航空ショーで「ラファール」戦闘機を撃墜した中国製の戦闘機とミサイルが模型で展示されていました。性能的にはアメリカ製のF-16に比肩するとか。今後、導入する国は増えるのでしょうか。

フランス戦闘機を撃墜した中国戦闘機、パリで展示!

 2025年6月下旬にフランスのパリで開催された「パリ国際航空宇宙ショー(パリエアショー)」において、中国の航空企業グループであるAVIC(中国航空工業集団有限公司)が参加していました。

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中国空軍のJ-10C戦闘機。写真は珠海エアショーで展示されたときのもの(画像:AVIC)。

 注目は、AVICのブースにJ-10CE戦闘機とPL-15Eミサイルの模型が展示されていた点で、これは現地でも話題となっていました。

 J-10CEとPL-15Eは、2025年5月にインドとパキスタンのあいだで発生した武力衝突において、一躍注目を集めた組み合わせです。このときパキスタン空軍のJ-10CEが、PL-15Eを使ってインド空軍の最新戦闘機「ラファール」を撃墜したからです。

 J-10CE(Eは輸出モデルの意味)はAVICのグループ傘下の成都飛機工業公司が製造している戦闘機で、アメリカの第4世代戦闘機であるF-16「ファイティングファルコン」に相当する能力を持つと言われています。最新のC型では、欧米の最新鋭機では標準装備と化しているAESA(アクティブ・フェイズド・アレイ)レーダーを搭載するなどのアップグレードが施されており、今回のインド・パキスタン紛争でフランス製の「ラファール」戦闘機を撃墜したことは、その能力の高さを裏付ける出来事になったと言えるでしょう。

 撃墜に使われたPL-15Eについても、アクティブレーダー誘導方式の空対空ミサイルで、こちらもアメリカ製AIM-120「アムラーム」中射程空対空ミサイルと同等の性能があると言われています。輸出モデルは中国の安全保障上の問題から射程が意図的に短くされていますが、それでも150kmの飛距離があるといわれており、数値的には欧米の中射程空対空ミサイルと同等の性能です。

 中国の防衛産業が輸出に積極的なのは今に始まったことではありませんが、このJ-10CEとPL-15Eの組み合わせは今後、世界の空軍力に大きな影響を与える存在になると筆者(布留川 司:ルポライター・カメラマン)は睨んでいます。

【来場者が注目!】フランス・パリで展示された中国製戦闘機です(写真)

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