「ヤバい、車線の真ん中で故障した!」←ドンッ…! 「早く動かさなきゃ」よりも大事な「きちっとした対応を」事故調が異例の警告

高速道路上の故障車は、路肩に寄せて止めることが道路交通法で定められています。ハイスピードで迫る後続車を考えれば、とにかく道路の真ん中で停車し続けるなどありえない――そんな切迫した思いのなかで、痛ましい事故が起きました。

停止措置後は、すみやかに路外へ退避する

 貸切バスにできることはなかったのでしょうか。酒井委員長の指摘する「きちっとした対応」とは、次のことを指しています。

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「高速道路で故障停止後のきちっとした対応」を訴える自動車事故調・酒井委員長(中島みなみ撮影)。

「自車を第一車両通行帯に停車させたため、非常点滅灯を点灯させたものの、自車の後方に発炎筒や停止標示器材などを設置するなどして後続車に対する必要な危険防止措置を十分とらなかったこと」(報告書「第一車両通行帯に停車したこと及び停車後の措置の影響」)

 路肩に寄せられない場合、ハザードを点滅させるだけでは不十分です。道路外に一度出て、故障車を回避できそうなところまで戻ったら、発炎筒を転がすだけで視認性は一気に高まります。

 また、貸切バスの運転者と乗客2人は、いずれも追突事故時に本線上に留まっていましたが、路肩への退避は、どんな場合でも必須です。

 貸切バス会社によると、残り38人の乗客は、高速道路の外側のり面に運転者の指示で避難して無事でした。運転者は、会社のベテラン運転者の助言で、冷却水を補充することを試みていました。現場にいた乗客は、水を提供した人だとされています。

 報告書は、会社が運転者に対して、実車を用いた訓練で、緊急時に必要な行動を習得させる必要性を訴えています。しかしながら、応急処置でいいから、とりあえず故障車を動かしたいという気持ちは、どんな運転者でも起きるのではないでしょうか。

 高速道路に故障車が止まることなど、故障車の立場でも想定しないにも関わらず、いかにもやってしまいそうなことです。

 このほかにも報告書は、大型トラックの会社の運行管理やトラック運転者についての行動についても問題点を指摘していますが、事業用や自家用を問わず、すべての運転者が高速道路を走る上での教訓を秘めています。

【凄まじい衝撃…】これが92キロで追突して大破した「大型トラック」です(写真)

Writer:

1963年生まれ。愛知県出身。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者を経て独立。行政からみた規制や交通問題を中心に執筆。著書に『実録 衝撃DVD!交通事故の瞬間―生死をわける“一瞬”』など。

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