通学はもう「命がけ」 酷暑を数キロ、ぐったりする子ども… 町長が“公用車で送迎”を始めた切迫した理由「全国的な課題だ」

勢いを増す猛暑が暮らしを変えつつあります。岐阜県内の小学校では公用車による下校が始まりました。猛暑の中を子供に付き添った新町長の“体感”支援。この夏を乗り切らなければ、という危機感が議会も動かしました。

いちばん暑い時間の下校 小学生低学年だけで乗り切れる?

 猛暑による熱中症対策で意外と見落とされているのが、小さな子どもの登下校時の対策です。一石を投じる施策を推し進める人口9500人の町長に話を聞きました。

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写真はイメージ(画像:PIXTA)

 名古屋市から約40kmの距離にある山間の町、岐阜県川辺町。2025年5月に当選した木下 宙(ひろし)町長は、この7月から小学校1年生と2年生の低学年児童を対象に、公用車による下校支援を開始しました。

「本当にこれは体験したからということもあるのですが、我々が子どもの頃とは暑さのレベルが違う。朝はまだしのぐことができるのです。帰りはですね。低学年の子供は帰る時間が早くて、午後2時とか3時なんです。1日のいちばん暑い時間を、小さな子どもだけで帰らなければならない。これが問題でした」

 木下町長は、岐阜県内の首長でいちばん若い37歳。小学校高学年と低学年、幼稚園と3人の子を持つ5人家族で、子どもたちの登下校に付き添うこともありました。

「川辺町はだいたい学校から3km後半ぐらいの距離から通学する子どもが各方面にいます。帰る途中で、カラになった水筒をひっくり返して、出てこないなみたいな感じで、道ばたにうずくまっているような姿をみてきました。歩く距離も長いのですが、その長い距離を炎天下、低学年の子どもたちだけで自力で帰らなければならない。これは町長に就任した時には、すぐにでも何とかしなければならないと強く感じました」

 今回の通学の猛暑対策は、対象を学校から2.5km以上離れた21人、期間も7月1日~18日、8月29日~9月30日の35日間に限定して、6月の町議会前説明で必要性を訴えました。

 その結果、議長の公用車であるミニバン「エスクァイア」と教育委員会の公用車「シエンタ」の2台を活用して、事業規模104万円の支援事業実施にこぎつけました。町内3校を時間差で、約5人のグループに分けて送ります。

【どこ…?】これが「小学生を公用車で送迎する」自治体です(地図/写真)

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コメント

1件のコメント

  1. 「公用車」だから問題無いやん。

    市長の私有車だったら利権絡むけどさ。

    何をズレた記事書いてるんだか