「空港用消防車」街の消防車とどう違う? 見た目は巨大! 操縦者に聞く“乗り心地”とは
V-22「オスプレイ」と一緒に公開された消防車、「救難消防車IBパンサー」の性能とは?
佐賀駐屯地の開設式典の後救難消防車を公開
2025年7月9日に開設された佐賀駐屯地で、最も注目を集めているのが、V-22「オスプレイ」でしょう。さまざまな意味で知名度の高い機体です。しかし、同日に報道陣に大々的に公開されたもう一つの装備があります。それが、空港火災などへの出動を想定した消防車、「救難消防車IBパンサー」です。実際にこの車両を操縦する自衛官に、操作感について話を聞いてみました。

救難消防車とは、航空機火災などに備えて自衛隊が運用する特殊な消防車です。飛行機やヘリコプターは大出力エンジンと大量の燃料を搭載しているため、ひとたび火災が発生すれば大惨事につながりかねません。そうした事態に備え、滑走路周辺に配備されているのが救難消防車です。なお、同様の目的で民間空港でも使用されており、「空港用化学消防車」とも呼ばれます。
佐賀駐屯地の救難消防車は、佐賀空港の空港用化学消防車と連携して活動する取り決めになっています。同空港の滑走路は自衛隊機も使用しており、不測の事態が発生した場合には、組織の垣根を越えた協力体制が整えられています。二次災害の防止や救助活動の円滑化のためにも、隣接施設間の連携は不可欠です。
使用されているIBパンサーは、オーストリアの消防機器メーカー「ローゼンバウアー」製の車両をベースにしています。2025年現在、日本の多くの空港で使われている空港用消防車も同社製のものが主流です。
特徴的なのは、大量の水を貯水できる巨大なタンクです。IBパンサーは最大7,500リットルの水を搭載可能で、さらに化学消火剤用の泡タンクも450リットル備えています。総重量は実に37トンに達しますが、その巨体に反して、非常に高い走行性能を誇ります。
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