「オレンジの中央線」まさかの再登場!? 17年ぶり本線走行にSNS騒然 JR東日本唯一の「201系」今後どこへ行く?
豊田車両センターで長い間保管されてきた元中央線快速の「クハ201-1」が、17年ぶりに本線上を走りました。今ではJR東日本唯一の201系電車ですが、今後どうなるのでしょうか。
クハ201-1はどこへ行く?
「オレンジ色の車体」が引退してすっかり様変わりしていた中央線快速ですが、実は201系のトップナンバーであるクハ201-1だけは豊田車両センター構内で保存されていました。保留車ながら車籍も残し続けていたのです。
ステンレス車体の中で存在感を放つ全身オレンジの車体は、隣を走る中央線の電車内から目撃されることもしばしば。撮影会などで展示されることもあり、ファンの間ではちょっと知られた存在でした。
一方、こうした機会に姿を見ることはできたものの、クハ201-1は豊田車両センターから移動することはありませんでした。一時は鉄道博物館(さいたま市大宮区)に収蔵されるという話もありましたが、一向に動く気配はなし。実際のところ、どうなるのだろうという気掛かりの声も聞かれました。そんな中、大宮への移動が行われたのです。
クハ201-1は、2026年春頃にリニューアルオープン予定の青梅鉄道公園(東京都青梅市)で展示される可能性が高いようです。青梅鉄道公園は国鉄が開設し、現在は東日本鉄道文化財団が運営する公園施設です。施設の老朽化などを理由に2023年9月1日から2025年度末までの予定で休園しています。
リニューアルに際しては「中央線・青梅線の鉄道の歴史を伝える学びの場」をコンセプトにすると発表されており、201系は中央線・青梅線に所縁が深いと捉えることができます。
また、2022年5月には「201系を含めて追加収蔵する予定」という旨が報道されており、このタイミングで動いたのは青梅鉄道公園での展示に向けた整備を行うため、というのもうなずける話です。
JR東日本に唯一残る201系、そして豊田車両センターの「ヌシ」のような存在でもあったクハ201-1。末長く保存されることを願わずにはいられません。
Writer: 和田 稔(鉄道ライター)
幼少期、祖父に連れられJR越後線を眺める日々を過ごし鉄道好きに。会社員を経て、現在はフリーの鉄道ライターとして活動中。 鉄道誌『J train』(イカロス出版)などに寄稿、機関車・貨物列車を主軸としつつ、信号設備や配線、運行形態などの意味合いも探究する。多数の本とNゲージで部屋が埋め尽くされている。
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