海を爆速ショートカットする「ホーバークラフト」空港アクセス復活! 16年前の廃止時より安い!? バスやマイカーに勝てるか比較してみた

大分空港と大分市街を結ぶ「ホーバークラフト」が16年ぶりの復活を果たします。珍しい乗りものとはいえ、いちど廃止された交通手段。その”競争力“はどれほどでしょうか。

マイカー利用者にはイイ…か?

 一方、大分空港までクルマを利用している地元客への訴求についてはどうでしょうか。

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国東半島東海岸の埋立地にある大分空港。地元客のアクセスはクルマが主役、ターミナル正面の第1駐車場は満車になることも多い(植村祐介撮影)

 大分市街から大分空港を目指す場合、東九州道大分ICから日出バイパス日出ICまで、通行料金は片道1160円(普通車ETC通常料金)です。また、大分空港の駐車場の利用料金は24時間で最大500円です。このほか大分空港周辺には、これよりも安い民間駐車場が数多くあります。

 ホーバークラフト利用者の西大分ターミナルの駐車料金は無料となっているため、単身でクルマを使い大分空港を目指す人にとっては、ガソリン代や駐車場代を含めると、一定の利用価値はありそうです。

 しかし2人、3人での利用となると、空港の駐車料金が高額になる長期旅行を例外とすれば、圧倒的にクルマのほうが安く、ホーバークラフトはちょっと太刀打ちできそうにありません。

 そしてやはりここでも「1日片道4便」という便数の少なさがネックになります。飛行機に間に合う時間に空港に着けばいいというクルマの自由度と比べると、ホーバークラフトは選ばれづらいと考えるのが一般的ではないでしょうか。

 ただ、大分空港までのアクセスルートが多様化し、利用者にとって選択肢が増えるのはメリットです。たとえば大分空港から大分市街までの往路は”アトラクション”的な移動手段としてホーバークラフトを楽しみ、帰路は利用が便利な大分駅前からのバスを選ぶという旅もありうるでしょう。

 また、大分第一ホーバードライブは2024年7月の段階で、便数を「7往復半15便」、夜間運航認可後は「12往復24便」とする案を発表しています。

 せっかく復活したホーバークラフトですから、今後の利用者増、それにともなう便数増や運賃値下げが実現することを、ぜひ期待したいと思います。

【写真で詳しく見る】ホーバークラフト”使えそう“なのか?(地図/ダイヤほか)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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