「旗艦」って結局何なの? 実は自衛隊にはない!? 「大和ホテル」と揶揄されたのもこれが原因だった
指揮を執る司令官などが乗り組み、指令を出す艦艇「旗艦」は、実は現在の海上自衛隊には存在しません。その理由を、「旗艦」の歴史とともに振り返ります。
海上自衛隊で旗艦がなくなった理由
第二次世界大戦後、1954年に海上自衛隊が発足すると、アメリカから供与された小型艦艇などを中心に艦艇部隊が整備されましたが、この時点ではまだ「艦隊」と呼べるような組織は存在せず、当然、旗艦もありませんでした。

1961年、ようやく国産の護衛艦が数隻建造され、自衛艦隊の組織が改編されると、海上自衛隊における初代旗艦として汎用護衛艦「てるづき」が選ばれました。
「てるづき」は、司令官が乗るとはいえ、特別に豪華な内装が施されたわけではありませんが、通常の艦にはない指揮機能を備える必要があったため、指令室を新設し、主砲を撤去するなど大規模な改修が行われました。
その後、旗艦の任は姉妹艦「あきづき」、対潜護衛艦「むらくも」、ミサイル護衛艦「たちかぜ」、その姉妹艦「さわかぜ」へと引き継がれていきました。しかし2010年、「さわかぜ」の退役に伴い、海上自衛隊における護衛艦隊旗艦の運用は廃止されました。
実は、2008年の組織改編により、護衛艦隊司令部が海上から陸上(横須賀)に移され、陸上部隊として再編されたのです。通信設備の進化によって、艦上で指揮をとる必要性が薄れたことに加え、護衛艦隊司令官の役割が「フォースプロバイダ」、すなわち艦隊の練度管理や即応態勢の維持に重きを置くようになったことが背景にあります。
かつては各護衛隊群にも旗艦が存在しましたが、現在ではこれらも廃止されています。ただし、常設の旗艦が存在しないだけであり、観艦式などの式典では、自衛艦隊司令官、防衛大臣、あるいは内閣総理大臣などの「最高指揮官」が乗艦する艦が臨時の旗艦となります。
「旗艦」といえば、「偉い人が乗る船」というイメージが一般的ですが、旗艦が廃止された現在、幕僚長や防衛大臣といった高官が視察などで乗艦する際は、どの艦が用いられるのでしょうか。
明確な規定はないようですが、現在は大型でヘリコプターの発着が可能な「ヘリコプター搭載護衛艦」や、高度な防御能力を持つ「イージス艦」などが選ばれることが多いようです。
ちなみに、アメリカ海軍では「第〇艦隊旗艦」という形で、原子力空母や揚陸指揮艦などが艦隊単位の旗艦を務めていますが、「海軍全体の旗艦(navy flagship)」という概念は存在しません。一方、伝統を重んじるイギリス海軍では、明確に旗艦が定められており、現在は空母「クイーン・エリザベス」が旗艦を務めています。その前は揚陸艦「アルビオン」が担当していました。
Writer: 凪破真名(歴史ライター・編集)
なぎはまな。歴史は古代から近現代まで広く深く。2019年現在はフリー編集者として、某雑誌の軍事部門で編集・ライティングの日々。趣味は自衛隊の基地・駐屯地めぐりとアナログゲーム。
真珠湾攻撃の直ぐ後にヤマトが完成してるんだよね、司令部を軽巡改造などで済ませて、
真珠湾攻撃を遅らせてヤマトで砲撃してりゃあ、航空攻撃より印象が強くて、アメリカが航空機+空母より戦艦の方を優先したと思うんだよねぇ、もしかしたら日本の航空優勢が少しは長かったかも知れんし、沖縄特攻なんて無かったと…
戦争は圧倒的に強い側は被害を受けないんだよね、だからアメリカは準備万端で弱い相手を狙うんですよ、義経のような考えは駄目なんですよねぇ