なぜミサイル発射は「ブオオオオ!」と炎を上げるタイプと「スポンッ!」と飛び出すタイプがあるの? それぞれの特徴と利点とは

艦艇がミサイルを発射する動画を見ると、激しく炎を上げながら筒から発射される場合と、「スポンッ!」とミサイルが筒から射出され、その後にメインエンジンに点火される場合があります。なぜでしょうか。

「ブオオオオオオ!」は「ホットローンチ」

 艦艇がミサイルを発射する動画を見ると、「ブオオオオオオ!」と激しく炎を上げながら筒から発射される場合と、「スポンッ!」という音とともにミサイルが筒から射出され、その後にメインエンジン(ロケットモーター)に点火される場合があります。実はこの2つは異なる発射方法が使われています。

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「ホットローンチ」である、まや型護衛艦のVLSから発射されるミサイル(画像:海上自衛隊)

 ミサイルが収納されている箱型や筒状の入れ物である「キャニスター」や、甲板上に複数設置された垂直発射装置であるVLS(ヴァーティカル・ローンチ・システム)から、激しく炎を上げて発射されるミサイルは「ホットローンチ」という方式が採用されています。

 この方式は、ミサイルのエンジンをそのまま発射筒内で点火するもので、アメリカ海軍のミサイル駆逐艦や日本の海上自衛隊の護衛艦に搭載されているVLSもこの発射形式を採用しています。

 また、地上に配備されている防空用の「パトリオットミサイル」の発射装置も、エンジンに直接点火するためホットローンチ方式です。

 ホットローンチの利点は、発射システムが比較的シンプルで設計が容易なことです。エンジンを筒内で点火して発射するため、発射までのタイムラグが少なく、製造コストも低く抑えられます。

 その一方で、VLSでは発射装置に熱や圧力によるダメージが加わるため、メンテナンス頻度が高くなるというデメリットもあります。

【画像】ちなみに箱ごと入れかえる! VLSの交換風景

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