北辺の自衛隊キャンプに「時代超えた建物」残ってた! 英戦艦2隻沈めた武勲の飛行隊「いつ壊されるか分からんよ!」
北海道東部の美幌駐屯地には旧日本海軍が使っていた庁舎が今も残っています。80年以上前に建てられた風格ある建物を一般公開に合わせて見てきました。
木更津や土浦に残っていた旧軍庁舎はすでに消滅
その後、太平洋戦争が終わり旧日本海軍は解散。美幌飛行場にはアメリカ軍が進駐します。それから5年後の1950(昭和25)年には本部隊舎を使って国立療養所が開所するも、ほどなくして警察予備隊(後の自衛隊)が発足し、翌1951(昭和26)年からはその駐屯地(キャンプ)として用いられるようになりました。

1952(昭和27)年には警察予備隊が保安隊に改称され、現在の第6即応機動連隊の源流となる第6連隊が創設。そして1954(昭和29)年に保安隊を母体として陸上自衛隊が発足すると、それに伴い同地も陸上自衛隊美幌駐屯地となり、今に至っています。
実際、現地へ赴くと駐屯地の本部庁舎は、80年前の建物とはいえ充分な威厳と風格を漂わせていました。L字型の形状をした鉄筋コンクリート3階建ての庁舎は、屋根やバルコニーこそ現代風ですが、正面階段の形状などに歴史を感じさせます。
建物の中も、天井が高く、窓も縦長の作りとなっており、歴史再現ドラマなどで使われてもおかしくないデザインをしています。
とはいえ、古いのも事実。防衛省は東日本大震災以降、全国各地の駐屯地・基地に残る耐震基準に満たない庁舎などの建て替えを進めています。
これにより、旧軍時代の歴史ある建物のいくつかは解体されており、たとえば木更津駐屯地(千葉県木更津市)や土浦駐屯地(茨城県阿見町)の本部庁舎は、かつては旧海軍時代の建物が使われていたものの、大規模災害が発生しても指揮機能が継続できるよう、近代的な庁舎に建て替えられています。
美幌駐屯地の本部庁舎もその意味では、いつ建て替えられてもおかしくないと言えるでしょう。新庁舎への建て替えをするのか、耐震補強を施して使い続けるのか、はたまた史料館などに転用して保存するのか。80年の歴史ある庁舎を見るなら、今のうちなのかもしれません。
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